不足するN95マスクのフィルター能力を回復させる手法を東大生研が開発

N95マスクは一般的に3層構造になっており、静電気を有するポリプロピレン・マイクロファイバーが保護膜により挟まれている。静電気とは、正確には帯電している電荷のことだ。そして静電気の強さについては、電位測定器を用いて電荷が作る電位を測定することで知ることが可能だ。電位測定器はマスクとセンサの距離を一定にして測定する必要あることから、研究チームはまずこの距離を固定する器具の作成から行った。

そしてマスクの静電気の測定が行われた結果、製造会社や保存方法の違いによって差はあるものの、ポリプロピレンの表面には負の帯電があることが確認された。それらのマスクに対し、使用後の再利用を再現するため、オートクレーブ、洗浄、煮沸などの手法を用いて滅菌(ウイルス不活性化)すると、静電気が落ちる様子も観測された。

続いて実験の本命である、ウイルス不活性化の過程で一度失われたマスクの静電気を、ヴァンデグラフ起電機を用いてリチャージする試みが行われた。ヴァンデグラフ起電機とは、内蔵のモーターがベルトを回すことで摩擦による静電気を作り出す。そして大きな金属球に負の電荷を、小さな金属球に正の電荷を貯めるという装置だ。このふたつの球の間にマスクを挟んで放電させると、静電気を移すことができるという仕組みである。

この方法を用いることで、ウイルス不活性化で一度はほぼ完全に失われたマスクの静電気が復活することが確認された。その結果、静電気によるフィルター能力が回復することも確認されたという。煮沸時のマスクの変形といった課題がまだ残るものの、研究チームは、この手法であれば安全かつ安価にN95マスクを再利用できる方法を確立できる可能性があるとしている。

なお研究チームは今後、空気清浄機などにもポリプロピレン・マイクロファイバーが利用されていることから、今回のヴァンデグラフ機電気を用いた再利用手法をN95マスク以外のものにも応用することを検討中だとしており、将来的には、ゴミを減らし、素材の再利用を促すようなサステイナブルな技術の提供につなげていきたいとしている。

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