○フロントマスクの秘密
まずは顔つきだ。先代のバンパーがマイナーチェンジ前までほぼ一直線だったのに対し、新型はU字型とし、グリルとバンパーとの間にインテークを設けた。存在感の強さは圧倒的だ。
押し出しの強さのみでこの造形を選んでいるわけではない。バンパーには障害物をいなす造形を取り入れるなど、ランクルらしくオフロード走行も重視した形なのだ。エンジンフード中央を凹ませたことも特徴といえる。先代にはなかったこの処理は、衝突安全性能を高めるとともに、前方視界を良好にするためのものだ。
ボディサイドでは台形に張り出した前後のフェンダーが目立つ。過去2世代は「ブリスターフェンダー」で乗用車っぽさをアピールしていたが、本物志向のSUVを望むユーザーが増えてきたこともあって、たくましさを前面に押し出したのかもしれない。そういえば、サイドウインドー後端も長方形から台形になった。
ボディサイズに大きな変化はない。前輪が乗り越えられる角度を示す「アプローチアングル」、床下が乗り越えられる角度を表す「デパーチャーアングル」、リアエンドがクリアできる角度である「ランプブレークアングル」といった対地障害角を確保すると、似たようなフォルムに落ち着くのだろう。ただしプロポーションは、キャビンが先代よりやや後方に寄せられた。ヘリテージ性を追求する意味で「50系」の雰囲気を継承したそうだ。