本稿では、ITやテクノロジー領域を中心に、新型コロナウイルス流行後のベンチャー企業の世界的なトレンドについて紹介したい。取材に応じてくれたのは、グローバルで事業会社のCVC(コーポレート・ベンチャーキャピタル)運営をサポートしている、ペガサス・テック・ベンチャーズの代表パートナー兼CEOを務めるAnis Uzzaman(アニス ウッザマン)氏だ。
2020年以降のスタートアップ投資トレンドは?
-- コロナ禍以降に投資が活発な領域を教えてください
Anis氏:2020年に新型コロナウイルス感染症が世界的に流行しました。一時期は経済活動が落ち込みましたが、サプライチェーン領域を中心に産業分野に投資が集中するようになりました。コロナ禍によって停滞した産業分野において、人が不要なプロセスをオートメーション化することで以前の作業効率に戻さなければならなかったからです。
現在も世界規模でサプライチェーンの見直しが進められており、特にAI(Artificial Intelligence:人工知能)とロボティクスの分野が急成長しています。スマートロボットを製造する東京大学発ベンチャーの「MUJIN」など、日本でもこうした企業が現れています。