7月2日1時35分に障害発生、そのとき何が起きた?
今回の障害は7月2日1時35分頃に発生した。このとき同社では、多摩のネットワークセンターにおいてメンテナンス作業を行っており、ルーター設備の新旧交換を実施してルート変更を行っていた。新ルーターに交換したところ、何らかの原因でVoLTE通信の不通が起きた。
これが15分間にも及び、ルート変更の切り戻し(元に戻す作業)を実施したところ、端末側の再接続要求が殺到してVoLTE交換機で輻輳(ふくそう、通信網内で“渋滞”が起きていることを表す用語)が発生。それを制御するために流量制御を実施して、輻輳の解消を目指した。
ところが、ここで加入者データベース(DB)でも輻輳が発生していた。この加入者DBはアクセスしてきた端末の位置情報と加入者情報を管理するデータベースで、この輻輳に対処をしている中で、加入者DBにおけるデータの不一致が発覚した。
加入者DBに書き込まれた加入者情報・位置情報と同じ情報がVoLTE交換機にも書き込まれるが、輻輳が発生していたためにVoLTE交換機に書き込みが行えず、加入者DBとVoLTE交換機の間の情報に齟齬(そご)ができてしまったためだった。