フランチャイズでの起業を考えるとき、「業種選び」で悩む人は多いでしょう。「どんな業種が儲かるのだろう」「1人で始める場合、最適な業種は? 」などさまざまな疑問がわいてくるものです。


そこでこの記事では、フランチャイズの業種を一覧にまとめ、条件ごとにおすすめの業種も解説しています。「業種がなかなか絞れない」という方は、ぜひご覧ください。

■フランチャイズの業種は大きく分けて3つ

フランチャイズには多種多様な業種が存在しますが、これらは大きく「小売業」「飲食業」「サービス業」の3つに分けられます。それぞれの業種の特徴や、そこに属するフランチャイズの種類を一覧でご紹介しましょう。
<小売業>

小売(小売業者)とは、消費者が商品を購入する販売店のことです。たとえば、デパートやコンビニ、スーパーなどがありますが、フランチャイズにおいてはコンビニがその代表格となっています。
また、最近では買取や無人販売などが人気です。

小売業のフランチャイズには、以下のようなものがあります。

・リサイクルショップ
・買取
・古着屋
・無人販売
・中古車
・携帯電話
・ホームセンター
・チケットショップ
・家電量販店
100円ショップ
・ネットショップ
・スーパーマーケット
・アパレル

そのほかにも、街で見かけるさまざまな店舗がフランチャイズ展開をしています。小売業は、特定の地域に店舗を構えるため、日常生活に関わりが深く、「地域密着型」の業種といえるでしょう。「地域に根ざした仕事がしたい」「地域に貢献したい」という人は、小売業の仕事を候補に入れてみてはいかがでしょうか。
<飲食業>

店内で調理した料理を提供する「飲食業」は、フランチャイズの中でも高い人気を誇っています。
飲食業のフランチャイズには、ラーメン店やファストフード、カフェなどさまざまなジャンルがあり、ブランド自体にネームバリューがあるため、開店後の集客にも期待ができるでしょう。

飲食業のフランチャイズには、以下のような種類があります。

・スイーツ店
・うなぎ屋
・焼肉屋
・からあげ専門店
・ラーメン店
・居酒屋
・ファストフード
・カフェ
・パン屋
・ピザ屋
・カレー屋
・やきとり屋
・ゴーストレストラン・キッチンカー

このうち、イベント会場やオフィス街などでよく見かける「ゴーストレストラン・キッチンカー」は、店舗を持たない飲食業として注目されています。店舗を構える必要がないことで開業資金が抑えられ、営業場所も柔軟に変えられるため、攻めの姿勢で取り組める飲食業です。
<サービス業>

サービス業のフランチャイズには、介護やリペア(修理)、学習塾などがあります。大きな在庫を抱えるリスクが少なく、ノウハウや技術はフランチャイズ本部が提供してくれます。
サービス業には急成長している業態も多く含まれ、「時代の流行りを反映しやすい業種」といえるでしょう。

サービス業のフランチャイズには、以下のようなものがあります。

・宅食
・リペア
・便利屋
・エステサロン
・レンタカー・カーシェアリング
・ハウスクリーニング
・障害者福祉サービス
・介護サービス
・コインランドリー
・フィットネスクラブ
・結婚相談所
・学習塾
・パソコン教室

このように、サービス業のフランチャイズには幅広い業種がありますが、特に注目したいのは高齢者向けのサービスです。介護や宅食はもちろんですが、一見あまり関係のなさそうなフィットネスクラブでも、高齢者向けのサービスを導入して利用者を増やしています。

また、サービス業全体として、顧客のニーズを汲み取り、コミュニケーションを必要とする業種が多くあります。「人の役に立ちたい」「コミュニケーション能力を生かしたい」という人は、サービス業の中から仕事を探してみるのもいいでしょう。

■条件ごとに有利な業種はこれ!

これまでご紹介したように、フランチャイズには多くの種類があります。「小売業」「飲食業」「サービス業」という大きなくくりはありますが、「自分はその中からどの業種を選べばいいのだろう」と悩む人は少なくないでしょう。

そこで、「条件ごとに有利な業種」をまとめてみました。
<高収入が狙える業種>

せっかく一念発起して開業するのですから、「フランチャイズで高収入を得たい」と思いますよね。特に高収入が期待できるフランチャイズには「買取ビジネス」があり、買取ビジネスのオーナーの平均年収は約1,400万円前後とされています。

買取ビジネスは小さな店舗でも運営が可能で、人件費をかけなくてもできるため、売上からの支出が少なくて済み、高収入につなげることが期待できます。
また、比較的運動量が少ないことから、体力に自信のない方や中高年の方の開業にも向いています。

なお、買取ビジネス以外では、飲食店やハウスクリーニングが高収入を狙いやすい業種です。いずれも、オーナーの年収は約1,000万円前後とされています。
<1人でも開業できる業種>

従業員を雇わず、固定費を抑えながら開業したい人は多いのではないでしょうか。1人で開業できるフランチャイズとしては、ハウスクリーニングがおすすめです。ハウスクリーニングは、少子高齢化や共働き世帯の増加とともに、需要の伸びている業種の1つです。


ハウスクリーニングの場合、仕事場は依頼主の自宅になりますので、店舗を構える必要がなく、小規模な仕事であれば人を雇わなくても済みます。開業資金が抑えられるため、小さく開業したい人に向いている業種です。

<手に職がつけられる業種>

手に職をつけて独立・開業したいなら、リペアビジネスやハウスクリーニングがおすすめです。リペアビジネスは、車や住宅、家具、携帯電話などを修理・整備する仕事で、昨今のリサイクル意識の高まりにより、利用者が増加している業種です。

リペアビジネスのフランチャイズに加盟すると、開業前に研修が受けられるため、身につけたスキルや技術を生かしながら、長く仕事を続けられるでしょう。

ハウスクリーニングも同様に、研修によって掃除のスキルが習得できます。手に職があれば、その分安定して稼ぎ続けられますので、「自分の腕で食べていきたい」という人はぜひ検討してみましょう。
<多店舗展開が見込める業種>

フランチャイズで収益を拡大するには、「多店舗展開」という方法があります。文字通り、複数の店舗を展開していく経営スタイルのことです。多店舗展開が目指しやすい業種としては、飲食業やコンビニが挙げられます。

飲食業は、チェーン店として確立しているブランドが多く、成功率の高いノウハウを本部から継承することが可能です。さらに、オーナー自身が得たノウハウも次の店舗で生かせるため、多店舗展開が成功しやすいのです。

また、コンビニはもともと、多店舗展開を推奨するブランドが多い傾向にあります。「複数店舗経営推奨制度」という制度を設けるところもあり、この制度を利用すると、ロイヤリティの減額や奨励金の付与などが受けられます。
<副業で取り組みやすい業種>

フランチャイズは、やり方によっては副業で取り組むこともできます。たとえば、コインランドリーは定期的に店内の清掃や設備点検などの業務が発生するものの、基本的にはセルフサービスで常駐の必要がありません。そのため、「副業でできるフランチャイズ」として認知度が高まっています。

ただし、コインランドリーは、イニシャルコストが3,000万円ほどと高くなりますので、補助金や融資制度をうまく活用する必要があるでしょう。
<初期費用が抑えられる業種>

フランチャイズで開業したくても、初期費用の高さがネックとなり前に進めない人は多いのではないでしょうか。フランチャイズで開業というと、何百万円もの資金が必要というイメージがありますが、中には少ない資金で開業できる業種も存在しています。

たとえば、「結婚相談所」です。結婚相談所は、商材ではなくサービスを売るため、在庫や設備がほとんど必要ありません。自宅の一室をオフィスにすることも可能です。

また、ネットショップも初期費用が抑えられる業種の一つです。パソコン一台あれば業務ができますし、人を雇わなければ人件費もかからず、自宅で開業できます。本部に支払う費用も、比較的低く済むところが多いようです。
■フランチャイズを成功させるポイント

最後に、フランチャイズで独立・開業を成功させるポイントをご紹介します。成功させるにはさまざまな戦略が必要ですが、中でも頭に入れておきたい点を3つ厳選しました。
1.業界の需要を見極める

フランチャイズに加盟して事業を始めるなら、まずは「その業界の需要がどの程度あるか、どの程度続くのか」を見極めることが大切です。すでにご紹介した通り、世の中には多種多様なフランチャイズが存在しますが、中には、数年後も安定した需要があるとは限らないものも含まれています。

フランチャイズで成功するには、こうした流行り廃りのあるビジネスは避け、長く安定した需要が見込める業種を選びましょう。たとえば、少子高齢化を背景に、介護の仕事は需要が増加・安定しており、新規参入者でも比較的利益を出しやすい状態にあります。

自分が興味のある業種で起業するのはもちろん大事ですが、その業界の需要については、あらかじめ時間をかけて調べておきましょう。
2.加盟するフランチャイズは慎重に選ぶ

参入する業界だけでなく、「どのフランチャイズに加盟するか」も非常に重要です。フランチャイズによっては、サポート体制がほとんどなく、事業に必要なノウハウが確立されていない場合もあるからです。

特に、初めての起業や業界の場合、本部のサポートがなければ成功は難しいでしょう。加盟してから後悔しないよう、興味のあるフランチャイズについては徹底的に調べることをおすすめします。資料を取り寄せる、説明会に参加するだけでなく、すでに加盟しているオーナーに直接話を聞く、ネットでの評判を集めるなど、あらゆる角度から調査しましょう。
3.リスクを抑えて起業する

フランチャイズに加盟すると、本部のノウハウを活用できるなどさまざまなメリットが受けられますが、ビジネスである以上、必ず成功するとは限りません。特に、大きなお金を借りて起業している場合、事業に失敗すると、多額の負債が残ってしまいます。

こうしたリスクを少しでも抑えるには、初期費用を抑えて小さく起業するといった工夫が必要です。たとえば、飲食店なら、居抜き物件を活用したり、キッチンカーなどの移動販売を選択したりすることで、初期費用を大幅に抑えられます。

そのほかにも、1人でできる業種や店舗が必要ない業種を選ぶことも、リスクを抑えるのに効果的です。
■フランチャイズの業種をよくリサーチしよう

今回は、フランチャイズの業種一覧や条件ごとのおすすめ業種、そして、フランチャイズを成功させるポイントについてご紹介しました。フランチャイズの業種を見ていると、「こんなものまでフランチャイズ展開されているなんて! 」と驚いてしまうほどです。

そのくらい、フランチャイズで取り組める業種は数多くありますので、ご自身に最適な業種が見つかるよう、よくリサーチしてみることをおすすめします。

武藤貴子 ファイナンシャル・プランナー(AFP)、ネット起業コンサルタント 会社員時代、お金の知識の必要性を感じ、AFP(日本FP協会認定)資格を取得。二足のわらじでファイナンシャル・プランナーとしてセミナーやマネーコラムの執筆を展開。独立後はネット起業のコンサルティングを行うとともに、執筆や個人マネー相談を中心に活動中 この著者の記事一覧はこちら