同作は「才能が宿るのは肉体なのか? 魂なのか?」というテーマをベースに、高い音楽性と重層的な作劇で“人間モーツァルト”35年の生涯に迫ったミュージカルで、2002年の日本初演以来、日本のミュージカルファンを魅了し続けてきた。
○■京本大我、ミュージカル『モーツァルト!』初主演
今回同作に初主演する京本。「僕は約10年前にミュージカル『エリザベート』という作品で初めて本格的にミュージカルに挑戦させていただいて、その時に本当に難しさ、過酷さを知り、同時にミュージカルの面白さや奥深さを感じまして。そのタイミングで、もっと勉強してみようと思った時に、DVDなどいろんな形で出会ったのがこの『モーツァルト!』という作品で、まだまだ面白い作品、魅力的な作品ってたくさんあるんだなと思って」と作品との出会いを明かす。「その時は(井上)芳雄さんや(山崎)育三郎さんのものを観させてもらってたんですけど、いつかモーツァルトが務められるくらいミュージカルを頑張ってみたいなと、約10年前にぼんやりと大きな夢を胸の奥で抱いていまして。それからコツコツコツコツ、毎年舞台に挑戦させていただき、自分の中で戦いながらやらせていただいていて、 ついにこうして20代ラストの年にモーツァルトという作品に挑戦させていただく機会をいただけたことを本当に光栄に思っております」と喜びを表した。
クローズ直前の帝国劇場に立つということで、劇場の思い出について聞かれると「本当に恵まれているというか、ちっちゃい頃から先輩の作品で帝国劇場に立たせていただいていて。『仕事とは?』というのもわからないぐらいの状態で、後ろの方でわーって踊ったりとか、子役みたいな感じで出させていただいたことはあって。そういう意味では思い出がたくさん詰まってるんですけど、やっぱり『エリザベート』という作品で20歳の時に帝劇に立った時に、今まで見てた帝国劇場と景色が全然違う感じがして。お客さんの層も違うのかもしれないですけど、『帝劇ってこういうことなんだ』と改めて思うぐらい、凄みを感じました」と振り返る。
「あとはやっぱり先輩方。芳雄さんだったり、もちろん雄大くんもそうですけど、城田優さんだったり、本当に皆さんがすごく優しく気にかけて20歳の若造の僕に話しかけてくださったり、ご飯誘ってくれたり。
“天才”の役を演じることになるが、京本は「グループ(SixTONES)にも天才だなと思うメンバーがいる」と告白。誰のことかつっこまれると「みんな天才ですけれども、特に、横に常にいるジェシーが。ジェシーは自分のことを『天才じゃない』と言うんですけど、僕からすると才能の塊というか。フィーリングでわーってやることがかっこいいし、音楽的なレベルの高さもあり、もちろん努力もたくさんしてるけど、常に横にいるからこそ『これは元々持ち合わせてるものだな』みたいなものを見ると、僕も『より頑張ろう』と、いい関係で切磋琢磨しながら日々やれている。なので、やっぱり『モーツァルトみたいな天才』となると、うちだとジェシーがぱっと浮かびました」と絶賛。
ジェシーもミュージカルに出演しているが、京本は「彼のやられてきた作品はやっぱり彼にしかできないなと。例えば僕が10年近くミュージカルをやっているとしても『あそこまではできないな』と思いましたし。僕は別にグループの中でミュージカル担当と思ってるわけでもないので、いろんなメンバーがこれからもいろんな舞台に触れて、いい刺激をお互いに送り合っていけたら。例えば僕も最近ドラマ、映画とか挑戦させていただいていたりして、 メンバーも観てくれて嬉しかったりしますし、そういう感じでずっとそれぞれをリスペクトしあえていけたらいいなと」と語る。
さらに「帝劇の主演と知った時はメンバーもすごく驚いてくれましたし、まだ 本番にも入っていないので、まずは自分でものにしなきゃいけないとは思いますけれども、しっかり務め上げられた時には、胸を張って『モーツァルト!』を務めた自分として、また次のステップにどんどん行けるように。まずは目の前の『モーツァルト!』をしっかり務め上げたいと思います」と意気込む。
最後に京本は、古川が「自分を追い込む」と言っていたことを受けて、「僕はもう自分を“追い殺す”つもりで」と物騒な表現をしつつ、「壊れる寸前ぐらいまで自分を 痛めつけながらやらないと、多分皆さんに感動を感じていただけることがないだろうなと思うので、たくさん皆さんに支えてもらいながらも自立して、しっかり自分の足でステージに立って演じたいと思っております。どうか皆さん、お時間ある方は観に来てください」と呼びかけた。
東京公演は帝国劇場にて8月19日~9月29日、大阪公演は梅田芸術劇場メインホールにて 10月8日~27日、福岡公演は博多座にて11月4日~30日。