○レイザーラモンHGの絵に感激「思っていた以上のものに」
昔から怪獣を考えて描くのが好きだったという八木。そこから自由な発想で未知の生物を描いてSNSに投稿するように。HGとのタッグのきっかけは、一緒に営業に行った際に、キャラクターを考えてほしいと言われたこと。そこで八木が考えたキャラクターをHGが仕上げたところ、「めちゃくちゃいい」と出来栄えに感動し、そこから自身が生み出した未確認生物もHGに仕上げてもらって世に出したいと動き出した。
書籍が完成したときは「感慨深いものがありました」としみじみ。「本当に趣味でこういうヤツがいたらなというものを描いていて、僕の画力だと厳しかったんですけど、HGの画力によって僕が思っていた以上のものにしてくれました。僕自身、未確認生物図鑑が欲しいと思っていたので、手に取ったときはうれしかったです」と喜んでいる。
世の中に様々なキャラクターが存在する中、八木が考案した未確認生物の魅力とは?
「いろんなヤツがいるというのが一つあると思います。バイクがもとになっている生物や、虹の生物もいて、哺乳類とか爬虫類という枠を超えて何でもいます。それぞれ生物の珍しさを表すレアレベルが設定されていて、100から10000まであり、ノーマル、ブロンズ、シルバー、ゴールド、レッドという5つに分類されていて、レッドが一番レベルが高いという仕組みになっています」
図鑑に掲載されている100体のキャラクターを紹介する個展「未確認生物の世界展」も開催。「100体が集まって迫力がありました。
展示した100体のMetal Canvas Artの販売も行ったが、八木自身100体すべて購入したという。
「1点4万円弱なので、100点で約400万円。これを小学校や中学校、非営利団体には無料で貸し出したいなと。民間の人たちからは多少お金を払っていただいて、この100体を日本中旅させて、世に広めたいと思っています」
○「自分で考えて新しいものを生み出す楽しさを感じてほしい」
埼玉のイオンモール春日部でHGとともにワークショップも開催。参加者が描いた未確認生物の絵をトレーディングカードにして渡すというもので、子供たちのうれしそうな顔を見てやりがいを感じたという。
「子供たちに自分で考えた生物を描いてもらい、僕が持っていったラミネーターを使ってその場で下敷きやカードにして渡すんです。それを持って子供たちが壇上でうれしそうに描いた生物について説明してくれて、多い子は4、5回発表していました。親もとても喜んでくれましたね。おとなしい子でもスイッチが入って、『レア度なんぼ』とか熱く説明してくれて」
その姿を見て、このプロジェクトは「可能性がある」と感じたそうで、「100体を全国巡らせて、いつか子供たちが考えた生物の中で最もレア度が高いものを決める『未確認生物グランプリ』みたいなコンテストを開きたいなと。夢が広がります」と声を弾ませる。
そして、「自分で考えて新しいものを生み出す楽しさを感じてほしい」と願う八木。
「子供に限らず、誰でも楽しめると思うんです。ワークショップには、美術の先生をされていた7、80歳くらいの方も挑戦してくれて、その絵がすごくよくできていてびっくりしました。いろんな人に描いて楽しんでもらいたいです」
八木の子供も個展で楽しそうに絵を描いていたという。
「東京の個展に来てくれて、そこでも描くコーナーがあって、1回描いてご飯に行ったら、もう1回描きたいと言うのでもう1回行って。子供はそういうのがうれしいみたいですね我が家では当たり前のように未確認生物の名前が飛び交っていて、普通に存在しているような感じです(笑)」
○相方・高橋茂雄もキャラクターのアートを購入
相方の高橋茂雄も個展を訪れ、パズルンというキャラクターのMetal Canvas Artを買ってくれたと明かす。
「めちゃくちゃうれしかったです。100体の中からパズルンを選んだ理由は聞いてないですけど、カップルのキャラクターなので相方が新婚というのもあるのかなと」
今後、未確認生物の漫画を作りたいと考えているそうで、すでに動き出している。
「主人公の男の子がいて、女の子もいて、未来の話なんですけど、生物たちが進化し文明を持ち出し、人間と未確認生物が共存する地球になっているという物語というのはどうかと、みんなで盛り上がっています」
漫画となると、映像化の可能性もあるかもしれない。「そこまではまだ話は進んでないですけど、吉本のみんなでいろいろ楽しいことができたらいいなと思っています」と語っていた。
■八木真澄
1974年8月4日生まれ、京都府出身。1994年に高校の柔道部の後輩だった高橋茂雄とお笑いコンビ・サバンナを結成。1997年にABCお笑い新人グランプリ優秀新人賞を受賞。