EV向けブレーキパッドは、車体重量の増加によりブレーキへの負荷が高くなることに加え、回生協調ブレーキとの適合性も重要となるほか、2028年以降に欧州で適用される新環境規制「EURO-7」では、ブレーキの摩耗による粉塵も規制の対象となるため、制動力に優れ、かつ摩耗の少ないブレーキパッドがより求められることとなるとされている。
同製品はそうしたニーズに対応するべく、原材料にアスベスト(石綿)や鉄を含まず、ブレーキ時の摩耗が少なくすることで環境負荷を抑え、高い静粛性を実現したという特長があるという。また、素材の特性を生かした配合の工夫などを施すことで、欧州で主流のロースチール系ブレーキパッドと同等レベルの高いブレーキ性能を実現したとのことで、ガソリン車と比較し車体重量が重いEVで使用した場合であっても、高い制動力と耐摩耗性を発揮、WLTP走行モードを模擬したブレーキ台上評価においては、一般的な欧州ロースチール系ブレーキパッドの30%以下の摩耗粉排出量を実現したとしている。
なお、同社では現在、2026年量産化を視野に、欧州Tier1ブレーキシステムメーカーに向けてサンプル提供を開始しており、電動ブレーキシステムへの適合性評価を進めているとしている。