●『インサイド・ヘッド2』主人公の日本版声優抜てきに喜び
2018年にTBSドラマ『義母と娘のブルース』で主人公の娘・みゆき役の幼少期を演じて注目を集めた横溝菜帆。その後、日本テレビ×Hulu共同製作ドラマ『君と世界が終わる日に』など数々の作品に出演し、8月1日公開のディズニー&ピクサー最新作『インサイド・ヘッド2』では主人公ライリーの日本版声優を務めた。
3歳から子役として活動を開始し、16歳にして芸歴13年。横溝にインタビューし、『インサイド・ヘッド2』参戦の感想や、「役者の仕事を一生続けていきたい」と思うようになった転機、今頑張っているという美容にまつわるエピソード、そして今後について話を聞いた。

『アナと雪の女王2』を超えてアニメーション映画史上世界No.1の世界興行収入を記録した本作は、高校入学という人生の大きな転機を迎えた少女・ライリーの頭の中に広がる“感情たち”の世界を舞台に描く物語。彼女を子供の頃から頭の中で見守ってきたヨロコビ、カナシミ、ムカムカ、ビビリ、イカリの5つの感情たちの前に、新たにシンパイ、イイナー、ダリィ、ハズカシという4つの“大人の感情”が現れ、感情のが巻き起こる。

――ライリー役に決定した時のお気持ちから教えてください。

ディズニー作品も好きですし、ディズニー全般すごく好きなので、本当にうれしくて、ヨロコビみたいにぴょんぴょん跳ねながら、母と一緒に喜びました。

――アフレコではどんなことを心がけましたか?

感情の嵐が訪れるので、感情の波がはっきりわかるように、その変化が出せるように頑張りました。

――難しかったなと感じたことはありますか?

感情の変化を出すことと、あとはホッケーの試合の時の息遣いや、溜め込んでしまって苦しい時の息遣いなど、息遣いが普通のセリフよりも難しいなと思いました。

――ライリーとご自身の共通点や共感したポイントを教えてください。

前向きなところが似ていると思います。前作でもライリーは学校や家族のことでいろいろあっても、結局はヨロコビが一番働いてくれて、明るい感じで終わっていたので。

――ご自身は昔から前向きな性格でしたか?

小さい時は泣いてばかりで、撮影現場でもずっと泣いていて、スタッフさんに迷惑をかけていました(笑)。
もちろん今も現場で緊張しますが、最近は楽しもうという気持ちが強く、高校生になってから以前よりも前向きになったと思います。

――前向きに変われたきっかけがあったのでしょうか。

私にとって一番夢中になってやれるのがこの仕事だなと思い、そう感じるようになってからすごく楽しめるようになりました。

――小さい頃に現場で泣いていたのは、お仕事があまり好きになれず……?

嫌いだったわけではなく、うまくできなくて悔しくて泣いたり、緊張して泣いたりしていました。

――このお仕事が楽しいなと感じる瞬間はどんな時ですか?

完成した作品を見た時に、自分がその作品にぴったりマッチしているとすごく感動して、喜びを感じます。『インサイド・ヘッド2』など声のお仕事も、作品を見てキャラクターに声が合っているなと感じられるとすごくうれしいです。

『ぎぼむす』『きみセカ』が転機に 目標はアカデミー賞


――3歳から子役として活動をスタートされましたが、この世界に入ったきっかけを教えてください。

きっかけは親で、記憶のある頃からこの世界にいたので、こういう活動をすることが当たり前のように感じていたのですが、『義母と娘のブルース』に出演してから「お芝居好きだな」「これからもずっと続けていきたいな」と思うようになり、お芝居の考え方も変わっていきました。

――お芝居の考え方はどう変わったのでしょうか。

『ぎぼむす』の前は、こういう感情の時はこういう表情をすればいい、こういう言い方をすればいいという感じでやっていたのですが、『ぎぼむす』から、見えるところの表現を一番に意識するのではなく、感情を優先するようになりました。

――『ぎぼむす』が大きな転機に。

そうですね。『ぎぼむす』でお芝居が好きになり、続けていきたいという思いに。
そして、『君と世界が終わる日に』あたりから、役者の仕事を一生続けていきたいとはっきり思うようになりました。『きみセカ』の時に竹内涼真さんがお芝居を褒めてくださって、「お芝居の相性がいいよね」と言ってくださったことがうれしくて、そういう風に「この人と一緒にやりたい」とか「この子なら大丈夫だな」と思ってもらえる役者さんになりたいと思いました。

――影響を受けた共演者の方を挙げるとすると、竹内涼真さんということに?

そうですね。竹内さんの影響はすごく大きかったです。『ぎぼむす』で共演した綾瀬はるかさんも憧れの存在で、また親子役とかで共演できるように頑張りたいです。

――もう子役ではなく女優なんだと、意識が切り替わったタイミングはありましたか?

高校生になってから意識が変わった気がします。『ぎぼむす』『きみセカ』でお芝居に対する思いが変わっていき、さらに高校生になってお仕事という意識が強くなった気がします。でも、世間の皆さんからの印象は『ぎぼむす』が強いので、まだ制服を着ているイメージは薄いのかなと。そういうイメージをつけるためにも、学園モノとか、イメージが変わるような仕事にも挑戦し、新しい横溝菜帆を出していけたらと思います。

――将来的にはどういう風になっていきたいと考えていますか?

共演者の方たちに安心してもらえるというか、「また一緒にやりたいな」と思ってもらえる役者さんになりたいです。視聴者の方にとっても、「この子なら安心だな」「この子なら大丈夫だな」と信頼感を持ってもらえるように実力を磨いていきたいと思います。

――具体的に目標に掲げていることはありますか?

学園モノに出てみたいという思いがあります。
そして、アカデミー賞を取ることを人生の一つの目標にしているので、映画にあまり出たことがないですが、これから映画にも出演していけたら。そして、アカデミー賞のレッドカーペットをカッコよく歩きたいです。

高校生になり美意識が高く「ダイエットを頑張っている」


――本作ではライリーの心の成長が描かれています。横溝さんは、年齢を重ねて前向きになったとのことですが、ほかにも心の変化を感じていることがありましたら教えてください。

最近は意志が強くなったなと感じています。お仕事に関して、自分でこれをやると決めたら最後までやり遂げるとか、母からも意志が強くなったと言われています。あと、最近すごく美容に気を使っていて、ダイエットを頑張っているのですが、父がよくおいしそうなスイーツを買ってきても、誘惑に負けないぞという感じで意志を強く持つようにしています。

――いつからダイエットを?

人前に出るお仕事ということで高校2年生になってから美意識が高くなり、ダイエットするようになりました。少し前まで丸くて(笑)。体重ではなく見た目を重視していて、ちゃんと食べて、運動をいっぱいするようにしています。

――具体的にどんなダイエットをしていますか?

食べる量はあまり気にせず、脂っこいものを食べないようにするとか、そういうことを意識しています。毎日やっていることは、朝起きていっぱい水を飲んで、朝ごはんにグリークヨーグルトに冷凍フルーツを乗っけて食べるということで、それを食べるようになってから肌がきれいになった気がします。


――ちなみに『ぎぼむす』の頃から身長はどれくらい伸びましたか?

当時は120センチぐらいだったと思うので、30センチは伸びていると思います。今は153センチなので。今も学年の中だと小さいほうで、以前は160センチ超になりたいと思っていましたが、これも一つの個性だなと最近思うように。まだちょっと伸びていますが、伸びなくても、小さいなりに頑張ろうと思っています。

――最後にファンの方たちにメッセージをお願いします。

これからも夢中になって努力を続けて、どんどん新しい自分を皆さんにお見せできるように頑張ります。インスタなどで『ぎぼむす』の時からの成長に驚いてくださったり、喜んでくださる方もいるので、成長した私も応援してくださったらうれしいです。そして、『インサイド・ヘッド2』は良い感情も悪い感情も無駄なものはないという、つらいことがあっても前向きにいようという気持ちにさせてくれる映画なので、ぜひ見ていただきたいです。

■横溝菜帆
2008年3月27日生まれ、神奈川県出身。3歳から芸能活動を開始し、NHK大河ドラマ『平清盛』、映画『魔女の宅急便』の幼少期キキ役など数々の映像作品に出演。2018年、ドラマ『義母と娘のブルース』(TBS系)で主人公の娘・宮本みゆき役で注目を集める。その後も、NHK連続テレビ小説『スカーレット』、『君と世界が終わる日に』(日本テレビ×Hulu)など話題作に出演。
編集部おすすめ