吉本新喜劇65周年記念ツアーの埼玉公演が11日、さいたま市文化センターで開催され、間寛平、すっちー、川畑泰史、未知やすえ、島田珠代、山田花子らおなじみの新喜劇座員たちが出演した。
この公演を吉本興業とともに主催するテレビ埼玉(テレ玉)では、MBS制作の『よしもと新喜劇』(毎週金曜19:00~)をレギュラー放送しているが、関東の客の反応はどうだったのか。
○高校卒業後に浦和のキャバレーで働いていた
――暑さで有名な埼玉ですが、いらっしゃっていかがですか?
あっっっっついねぇ!!! 埼玉めちゃ暑いね。お客さんも熱いね! なにもかもがあついね!でも、 お客さんが温かく見守ってくれて、ますます頑張らなあかんなと思いました。
――埼玉に思い出はありますか?
長い話になるんですけど…高校を卒業して家出して、18(歳)くらいのときに、浦和で仕事していたのを思い出します。浦和駅前の「ブルーバード」というキャバレーでボーイをやってました。ほかにも、邦正(山崎邦正 現:月亭方正)が出演する『パッパカパー』(ビデオ番組)のロケで、浦和競馬場から下北(沢)まで走って帰りました。
絶対に引いていた関東の客に変化
――今回の埼玉公演(昼の部)を終えられていかがですか?
喜んでもらえたんかなぁ…ってね。関東の方では、あまり吉本新喜劇になじみがないと思うので。今回はテレビ埼玉さんに呼んでいただきまして、ちょっとでも新喜劇の良さとかを知ってもらいたいなぁと思っていたので、本当にありがたく思っています。
うちのおふくろの妹とか、お姉ちゃんの子どもとか、親戚が埼玉に住んでるんですよ。それで今日、ぎょうさん来てくれている。ほんで、えらい怒ってました。「なんでやるのに、言うてくれへんの!」って。
あと、僕は、レイチェルとか(野崎)塁とか、大塚澪ちゃんとか、若い埼玉の子が、新喜劇に入ってくれるだけでうれしいですね。関西の子ばっかりだったので。
――大阪のお客さんとの違いは感じますか?
ほとんど一緒になりましたね。ちょっと下ネタ言うと関東の方って嫌がるじゃないですか。でも下ネタにもどんどんついてきてて。関西ってめちゃめちゃ下ネタも多いし、めちゃめちゃ下品な言葉も言うたりするんですけど、それを関東でやったら、今までは絶対引いてたんですよ。ところがそこにもついてきだした。
――いつ頃からそれを感じましたか?
5~6年くらい前からかなぁ。小藪(千豊)が60周年の時に回って、そのくらいからちょっとずつ変わってきた気がしますね。
「あと2~3人、ちゃんとした座長を作らなあかん」
――寛平さんが、1970年に新喜劇に研究生入りしてから54年になります。時代を経て感じる変化を教えてください。
僕が入った時のテンポは、振って振って振ってドンっと落とすって感じでやってたんですけど、今はもう振ってドン、振ってドン、振ってドンってテンポがどんどん速なってるんですよ。今の若い子はそういう感じだから、それについてあかんなって思います。
――GMに就任されて2年になりますが、宣言されていたスター発掘への手応えはいかがですか?
いっぱい種があるんですね。だから種を放っとかずに、ちゃんと水を与え、肥料も与え、ほんでまた芽が出かけたら、水もやり、違う感じでまた肥料を与えて、どーんと、咲かせなあかん。その種を見つけて、うまいこと育てなあかんなと思ってやってるんですよね。今は一生懸命、水と肥やしをやってます。もうすぐ育っていくと思いますよ。
――今後の目標は、いかがでしょうか。
レイチェルなど若手をずっと育てていって、あのへんが座長になれるくらいにしていきたいなって思います。まだまだ社長が劇場を作っていくので、ちゃんとした座長を作らなあかん。あと2人か3人、座長を作りたいんですよ。でも、これが大変なんです。
――その「もっとやりたいこと」とは?
まあまあそれは……もっと大変なこと(笑)
――とても気になります(笑)。8月17~18日には韓国公演も控えていますね。
普通の吉本新喜劇のコメディをやるんですけど、字幕がどんどん出るから、きちっとセリフは覚えないとなぁ。ニュアンスがなかなか難しい。そこで、韓国のお笑いに一番詳しい次長課長の河本(準一)に入ってもらったんです。
河本は「ものすごい笑うよ。ものすごいウケるよ」って言うてくれたんで、「どんな感じでウケるの?」って聞いたら、例えば棚、ちょっと高いところにあるから、「ちょっととって~」って背が低いからお尻をちょっと押してもらう。そのときにオナラがプーっと出ただけで、もうお客さん転げ回って笑うって。それを聞いたときに、思い切ってできるなぁって思いました。