北海道電力は7月14日、第545回となる「ほくでんファミリーコンサート」を、札幌コンサートホールKitaraにて開催した。
会場には約2000人の観客が集まり、クラシックを中心としたオーケストラの調べを楽しんだ。
第545回「ほくでんファミリーコンサート」
「ほくでんファミリーコンサート」は、「北海道にお住まいの皆さまに本格的なクラシック音楽を気軽に楽しんでいただきたい」との思いから、1973年(昭和48年)より北海道内の各地で公演を開催し、今回の札幌公演で545回目を数える。
これまで道内118市町村で開催されており、延べ来場者数は約60万人に達するという。
演奏は、北海道唯一のプロ・オーケストラ「札幌交響楽団」が担当。今回の札幌開催は、喜古恵理香氏による指揮の下、モーツァルトの『歌劇「フィガロの結婚」序曲K.492』でコンサートの幕が上がる。
大迫力のオーケストラが奏でる軽快なメロディに心をつかまれる中、続いて演奏されたのは、同じくモーツァルトの『交響曲第38番 ニ長調K.504「プラハ」』。ドラマチックな展開、そして重厚な演奏がホール全体を包みこんでいく。
第二部は、モーツァルトの楽曲でまとめられた第一部とは一転、すぎやまこういちの『「ドラゴンクエスト」序曲Ⅹ』でスタート。そして、「映画音楽セレクション」として、J.ウィリアムズの名曲が披露される。
まずは、喜古氏自身、何度も観て、「すごく考えさせられた」という『シンドラーのリスト』のテーマを演奏。印象的なバイオリンの調べに酔いしれる中、続いては『スターウォーズ』より、『帝国のマーチ』『レイア姫のテーマ』『メインテーマ』の3曲が立て続けに披露される。
おなじみの楽曲がオーケストラの迫力によってさらなる感動を引き出し、万雷の拍手が巻き起こる。そして最後はアンコールとして『星に願いを』を演奏。
北海道電力がコンサートを開催する理由
「共に輝く明日のために」というパーパスを掲げる北海道電力は、「北海道に根差す企業として、地域の文化・スポーツ振興にお役に立てるように取り組んでおり、その継続性も含め地域社会から評価を頂いています」と話す、北海道電力 広報部 コミュニケーション戦略グループリーダーの塚田篤志氏。
特に「ファミリーコンサート」は、同社が主催する事業において代表格的な位置付けで、長年にわたって全道各地で開催されてきたこともあり、道民からの認知度も高いイベントになっている。
「ファミリーコンサート」の名が示す通り、家族を中心に、幅広い客層が来場。本格的なクラシック音楽を家族で気軽に楽しめる貴重な機会となっているが、この「気軽に楽しんでほしい」という気持ちこそが、第545回という回数を刻む原動力になっているという。
コンサート会場のロビーには、道内の小中学校における音楽教育振興のため、「ドレミの箱」という募金箱が設置されているが、この「ドレミの箱」による募金は、第1回のコンサートから継続。
集まった募金によって、かつては楽器などの寄贈が行われていたが、現在では、北海道教育委員会から推薦された学校・地域において、札幌交響楽団による音楽クリニックを開催。「プロの演奏家から直接指導を受けられる機会として好評を得ている」という。
「北海道に根差す企業として、今後も全道各地での開催を継続し、地域の皆さまにプロ・オーケストラの演奏をお届けしていきたい」という塚田氏。
なお、今年度については、8月18日に「だて歴史の杜カルチャーセンター」(伊達市)、10月22日に「泊村公民館」(泊村)での開催が予定されている。