俳優で歌手の木村拓哉が29日、都内で開催中の「第38回東京国際映画祭」(TIFF)で行われた映画『TOKYOタクシー』(11月21日公開)の舞台挨拶に、倍賞千恵子、山田洋次監督とともに登壇した。

「第38回東京国際映画祭」のセンターピース作品に選出された『TOKYOタクシー』は、山田洋次監督の91本目となる最新作で、2022年に公開され、スマッシュヒットを記録した『パリタクシー』の日本版リメイク。
タクシー運転手の宇佐美浩二(木村拓哉)は、高野すみれ(倍賞千恵子)を東京・柴又から神奈川の葉山にある高齢者施設まで送ることになり、その道中で起こるさまざまな出来事、すみれに起こった過去が描かれる。

木村は「自分は幼少期に柴又に住んでいたこともありまして、実際に『男はつらいよ』の撮影をして人だかりができているのを、その人だかり分の1として、何やっているんだろうと、景色を見ていたんですよって、撮影中に監督に言わせていただいたら、『そうなのか、君はいたのか』という言葉をいただいた」と柴又にまつわるエピソードを紹介。

「今の柴又帝釈天の山門の前で、倍賞さんが演じてくださったすみれさんを車に乗せて物語がスタートするということだったので、撮影のときもそうでしたし、あの町自体の方々が山田組がまたここで作品を撮影してくれるっていう、組のものだけではない、現場全体の空気感がもう一度、脈を打ち出した感じがすごく現場でしていました」と撮影を振り返った。

このたび山田監督が同映画祭において、永年の国内外を含めた映画界への貢献が目覚ましい人に贈られる「特別功労賞」を受賞。この日の舞台挨拶でトロフィーが贈られ、倍賞と木村も花束を渡して祝福した。

山田監督は立ってスピーチした後、倍賞と木村から祝福コメントをもらう際は椅子に着席。そのときマイクはセンターのままだったが、木村が気づき、座っている山田監督のところにマイクを移動させ、慣れた手つきで口元にくるように高さや角度を調整する気遣いを見せた。終了時には、通訳と司会に頭を下げ、観客にもしっかりとお辞儀をしてステージを後にしていた。
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