マイホームを探すうえで、「新築ではなく中古マンションを購入して、自分らしいリノベーションを施したい」と考える方が増えています。背景にあるのは、新築価格のマンション価格の高騰や物価上昇による住宅ローン負担の増加。
限られた予算の中で理想の住まいを叶える選択肢として、「中古×リノベ」は非常に有効な手段となりつつあります。

とはいえ、中古マンションの購入とリノベーションをセットで検討する場合、注意すべき点や計画すべき内容は多岐にわたります。特に「資金計画」は、後悔しない住まいづくりの土台となる重要なパートです。
○まずは全体像を把握するところから

中古×リノベのプロジェクトは、主に以下のような流れで進行します。

1.資金計画(予算の把握・ローンの組み方)・リノベーション会社の選定とプランニング
2.物件探し(エリア・建物・管理状態など)
3.売買契約・設計・施工
4.引き渡しとアフターケア

この中でも「資金計画」と「物件選び」は、リノベの自由度や満足度に直結する要素です。後から「予算が足りなかった」「そもそもローンが通らなかった」という事態を避けるためにも、最初の段階でしっかりとした資金設計が必要になります。
○「物件+リノベ+諸費用」で全体予算を組む

多くの方が「物件価格+リノベ費用」で予算を考えがちですが、実際にはこれに「諸費用(仲介手数料、登記費用、ローン手数料、火災保険料など)」が加わります。諸費用の目安は、物件価格の6~8%程度。たとえば物件価格が3,000万円の場合、180万~240万円ほどを見込んでおく必要があります。

さらにリノベ費用についても、どこまで手を加えるかによって大きく異なります。フルリノベーションであれば、60㎡前後のマンションでも1,000万円以上かかるケースも。全体として「総予算=物件価格+リノベ費用+諸費用」で無理のない計画を立てることが重要です。


○リノベーション費用は住宅ローンに含められる?

「リノベ費用もローンで借りたい」という方にとってカギとなるのが、「リノベーション一体型ローン」の活用です。これは、物件取得と工事費用を一括で借りられる住宅ローンで、最近では多くの金融機関が取り扱っています。

注意点としては、「物件購入」と「リノベ工事」の契約タイミングが重要なこと。リノベ内容が確定していないと借入できる金額(融資額)が決まらないため、ローン審査のスケジュールやプラン決定のスピード感が求められます。また、リノベ費用を含めたローンを組む際には、“金利のタイプ(固定・変動)"や借入先の一体型ローン対応状況も事前に比較しておくことが大切です。経験豊富な仲介会社やリノベ会社と連携しながら、同時進行で進める体制を整えることが成功のカギです。
○資産価値も視野に入れた計画を

「中古マンション×リノベ」の魅力は、理想の住まいを実現しやすいだけでなく、立地や建物の選び方によっては将来的な売却や資産価値の維持も見込める点にあります。とくに、都心アクセスの良い駅近物件や管理状況の良好なマンションは、築年数が経っていても一定の流通価格を保っているケースが多く見られます。

本連載では今後、エリア選びや建物チェックのポイント、リノベ会社の選び方、将来の出口(売却)も見据えたプランニングなどについて、プロの視点から具体的に解説していきます。
○まとめ:全体像を掴み、資金を「見える化」することから始めよう

中古マンションの購入とリノベーションは、自由度の高い住まいづくりができる一方で、資金の流れが複雑になりがちです。まずは「いくら借りられるのか」「いくら使えるのか」「何にいくらかかるのか」を明確にし、無理のない総予算を設定すること。そして、信頼できるパートナーと一緒に全体の流れを把握しながら進めることで、後悔のない住まい選びが可能になります。


次回は「資産価値が落ちにくいエリア選び」について、プロが実践しているチェックポイントを詳しくお伝えします。

角高広 株式会社すむたす 代表取締役。2012年、株式会社Speee入社。不動産売却メディア「イエウール」を立ち上げ、事業責任者として売却領域業界No.1へ。現GA technologiesグループのイタンジ株式会社にて、経営企画・複数事業責任者・人事を兼任した後、2018年、テクノロジーを活用した中古マンションの買取再販・仲介事業を手掛ける「株式会社すむたす」を創業。最短2日で現金化できるマンション売却サービス「すむたす売却」の累計査定数は4万件を超える。リノベマンションが仲介手数料0円で買えるポータルサイト「すむたす直販」も展開している。2019年、Forbes「アジアを代表する30歳未満の30人(Forbes 30 Under 30 Asia) 」選出。 この著者の記事一覧はこちら
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