海外旅行の選び方が変化し、安心して行ける距離感や現地での過ごしやすさを重視するニーズが日本人旅行者の間で高まっている。そんな中、いま改めて注目されている海外の旅先ひとつがグアムだ。


ユナイテッド航空がグアム路線で運行を開始したボーイング737 MAX 8と、コロナ禍からの完全復活を目指すグアム政府観光局の施策を取材するため、このほどグアムへと飛んだ筆者。

今回は1泊2日の滞在中に満喫した地元グルメと、「ハイアット リージェンシー グアム」の取り組みなどを紹介する。

○タモン湾の絶景を一望できる全室オーシャンビュー

ハイアット リージェンシーは、「グランド ハイアット」や「パーク ハイアット」と並ぶハイアットの中核ブランド。レストラン・バーや宴会場、フィットネスやスパなどを完備するフルサービスのホテルブランドとして、現在、世界40カ国以上の200を超えるロケーションで展開されている。

観光リゾート地から都心のシティホテルまで、地域に応じた多彩な展開を特徴とし、1993年にグアム・タモン中心部で開業した「ハイアット リージェンシー グアム」は、島内屈指のビーチフロントリゾートだ。

透明度の高いエメラルドグリーンの遠浅の海と、白い砂浜が約1km以上にわたって続く名所・タモン湾の美しい白砂のビーチに面した同ホテルは、全室オーシャンビュー。周辺には高級ホテル、レストランなどが集まり、タモンのショッピングエリアも徒歩圏内という便利な立地から、観光レジャーやビジネスなど幅広い利用シーンに適した施設・サービスに定評がある。

2008年、客室やパブリックエリアなどの大規模なリノベーションを行い、“シンプル・モダン”な空間をコンセプトに一新。ラグジュアリーな滞在に適したホテルながら、無料のキッズプログラムを用意し、子どもと楽しめるアクティビティなども充実させている。

キッズテントやキッズテーブルといったキッズ用アメニティを備えたファミリースイートなど、ファミリー向けの部屋タイプもあり、館内には小さな子ども連れのファミリーの姿も目立つ印象だ。

450室すべての客室はバルコニー付きで、ウォータースライダーを備えた広大なプールエリアのほか、日本料理、イタリアン、インターナショナルブッフェなど充実したレストラン施設も同ホテルの大きな特徴だ。

今回、筆者はユナイテッド航空やグアム政府観光局の関係者との交流イベントの名目で(ちゃんと交流もした)、「グアム随一のレストラン」と呼び声高い、同ホテルのイタリアン「アルデンテ・リストランテ(Al Dente Ristorante)」にて、舌鼓を打つ機会を得た。

○グアムで長年愛されている料理の数々

「ハイアット リージェンシー グアム」はサステナビリティ・地産地消の観点から、新鮮な地元食材をホテルで提供する料理に取り入れる「ファーム・トゥ・テーブル」という取り組みを積極的に行っている。

立食タイムで最初に供された軽食は、キャラグエンやスターフルーツのピクルスなど、グアムの人たちに愛されている地元食材や伝統的な料理を盛り込んだ一皿。

レモンはグアムで非常にポピュラーな食材のひとつで、ココナッツと爽やかなレモンの香り、アクセントが効いたキャラグエンは、代表的なチャモロ料理だ。各家庭でもレシピが違うそうだが、スパイシーでさっぱりとした味わいはビールなどと相性が良く、バーベキューなどの副菜に欠かせない一品らしい。

グアムで3月から旬を迎えるトロピカルフルーツ「スターアップル」は、ほんのりとした甘みと酸味、少し苦味もある野趣あふれる風味。チェリートマトは南国で育てることが難しい野菜のため、グアムでは大きさや形にばらつきがあるものが多いそうだが、太陽の光を多く浴びて育つため、甘味が強いという

見た目が完璧でなくても味が良ければ積極的にメニューで用いることも、地元農家を支援する「ファーム・トゥ・テーブル」の大切な方針のようだ。

地元生産者からの食材調達に加えて、ホテル内にはシェフ自身が新鮮な季節の野菜やハーブを栽培するガーデン(シェフの庭)もあるという。立食後のテーブルディナーでは、そんなガーデンで採れたバジルのジェノベーゼパスタなど、こだわりのコース料理も存分に堪能した(撮影し忘れるほどに)。

○ローカルに愛されるチャモロ料理の名店へ

「チャモロ文化にインスパイアされた食事や、『ファーム・トゥ・テーブル』などを通じた"チャモロ文化を紹介する取り組み"はとても嬉しく思っています」とは、グアム政府観光局 日本担当シニアマーケティングマネージャーのレジーナ・ネドリック氏。同ホテルでは定期的にハンドメイド品など取り扱う地元の商店が出店するイベントなども行っているという。

「グアムには開業から一度もブランドチェンジをしていないホテルがいくつか存在しますが、長い歴史を持つハイアットもそのひとつです。結婚式を挙げたり、誕生日会をしたり、卒業パーティーをしたり。
ローカルの人にとっては特別な思い出が詰まった場所で、思い入れの深いホテルだと思います」

キッズ向けアクティビティのほか、ヨガやアクアズンバなど多彩なウェルビーイング・プログラムを用意している同ホテル。宿泊客だけでなく地元民も参加できる人気プログラムも多く、とても身近な存在だという。

なお、筆者は後日ローカルで圧倒的人気を誇るレストラン「メスクラ チャモロフュージョン ビストロ」(Meskla Chamoru Fusion BISTRO)でも、チャモロの伝統的な料理の数々を味わった。

運ばれてきたのは、ココナッツビネガーなど4種類のソースで食べるチャモロバーベキュー、エビのキャラグエン、「チャモロ風ほうれん草のココナッツ煮」や「レッドライス」などの郷土料理。

燻製ポークは10時間ほどかけてゆっくりと火入れして余分な脂を落としているそうで、見た目以上に重たくない。

ただ、2~3人分でこのボリュームなので、ここがアメリカということを再認識させられるポーションではあった。もっとも、食べ切れなかった料理を持ち帰ることができるよう、テイクアウト用のBOXを用意している飲食店が、こちらのお店も含めてグアムには多いそうだが。

本格的なチャモロ料理を楽しめるお店は国内には少ない。ただ、グアム政府観光局には「マンギ号」なる日本で唯一の公認チャモロ料理(グアム料理)フードトラックがあり、時折、東京や大阪のイベント・商業施設で出店しているという。興味があれば、ぜひ当局のSNSなどで出店情報をチェックしてみてほしい。

伊藤綾 いとうりょう 1988年生まれ道東出身、大学でミニコミ誌や商業誌のライターに。SPA! やサイゾー、キャリコネニュース、東洋経済オンラインなどでも執筆中。
いろんな識者のお話をうかがったり、イベントにお邪魔したりするのが好き。毎月1日どこかで誰かと何かしら映画を観て飲む集会を開催 @tsuitachiii この著者の記事一覧はこちら
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