UTスリーエムは6月4日、同社に在籍する日系外国人従業員を対象とした「第2回労働実態調査」の結果を発表した。

日本で働いたことで生活水準が向上したと回答した人は9割を超え、日本への定住を予定する人も前回調査から増加した。
一方、定住を見据えたキャリア形成に向けて、日本語教育支援へのニーズが高まっていることも明らかになったとしている。

調査期間は2025年9月1日から12月26日まで。UTスリーエムに在籍する日系外国人従業員を対象に実施し、有効回答数は738人。

○来日理由は「経済的な理由」が最多

今回の調査は、2023年度に続く2回目の実施となる。労働人口の減少に伴う人手不足が社会課題となるなか、政府による日系4世の在留資格制度の見直しなど、日系外国人材が長期的に活躍できる環境整備が進められている。

こうした背景を踏まえ、日本で働く日系外国人従業員の就労や生活、キャリア形成に関する実態を調査したという。

来日理由については、「経済的な理由」が45.8%で最も多く、次いで「日本の生活・環境に対する興味」が19.4%となった。後者は前回調査の14.2%から5.2ポイント増加した。「子どもの将来のため」「安全」「家族や親戚が日本にいる」など、生活環境や将来を見据えた理由も合計で約3割の27.1%を占め、前回調査と同様の傾向を示したという。

日本で働いたことで生活水準が向上したかについては、94.2%が「向上した」と回答した。理由としては、「治安」が73.6%、「所得」が62.5%、「生活環境」が43.5%となり、治安や所得、生活環境の改善を挙げる声が多かったとしている。

定住意向については、「日本に定住する予定」と答えた人が48.4%、357人と半数近くを占め、前回調査の44.8%から3.6ポイント増加した。


定住を希望する理由は「日本が好きだから」が36.4%で最も多く、「生活環境が整っている」が24.9%、「安全だから」が20.7%と続いた。

「生活環境」「安全」はいずれも前回調査から4.3ポイント増加しており、同社は、日本での暮らしやすさや安全性の高さが定住意欲につながっていることがうかがえるとしている。

○日本でキャリアを積みたいと考える人が46.5%

今後のキャリア形成については、日本でキャリアを積みたいと考える人が46.5%、343人と約半数を占めた。

また、「日本に定住する予定」と答えた357人のうち、59.4%がキャリアアップを希望しており、日本への定住を見据えながらキャリア形成を望んでいることがうかがえるという。

一方、日本で働くうえでの課題としては、「日本語能力」が33.9%、「日本人とのコミュニケーション」が26%となり、約3割が日本語やコミュニケーションに課題を感じていることが示された。

仕事や職場生活での不安としては、昨今の物価高を背景とした「収入」が43.1%で最も多く、「ワークライフバランス」「自己成長」「雇用継続」など、キャリア形成に関する不安も多くみられたとしている。

キャリアアップを希望する343人のうち、日本語学習支援を希望する人は31.8%となり、前回調査の23.5%から8.3ポイント増加した。

同社は、日本でのキャリア形成において、キャリアプランニングの支援に加え、日本語学習支援へのニーズが高まっているとしている。また、収入への不安から、語学力の向上をキャリアアップや所得向上につながる現実的な手段として捉えていることがうかがえるとしている。
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