角田の運命を懸けたシーズンが始まる(C)Getty Images

 いよいよ開幕が目前となったF1新シーズン、レーシングブルズの角田裕毅はまさに正念場として臨むことになる。チーム在籍5年目の今季は契約最終年であり、F1キャリアの大きな分岐点にもなり得るシーズンだ。

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 来季のシートが定まっておらず、また、F1活動において支援を受けてきたホンダも、今季限りでレッドブルグループを離れるとあって、すでに日本人ドライバーの去就は各国メディアでも関心の的となっている。

 欧州オンラインニュースサイト『F1i.com』でも、現地時間3月9日(日本時間10日)、角田の今後について論じるトピックを配信。その中では、これまでのF1の舞台での活動を見届けてきた人々のコメントも紹介されている。

 同メディアは角田の2025年を「F1の未来を懸けた重要なシーズン」と位置付けており、その理由として、「レッドブルとホンダの双方が、彼のキャリアはもはや自分自身の手に委ねられていると明言しているからだ」と指摘する。

 その上で、ホンダ・レーシングの渡辺康治社長による、『Motorsport Week』でのインタビュー内容の一部を掲載。渡辺社長からは、「彼は基本的に独立したドライバーですが、私たち(ホンダ)はスポンサーとして彼をサポートしています」と関係性を説いており、さらに去就について、「彼自身が動く必要がある。もう5年目を迎えており、能力もあるしF1の世界を十分理解している」などと述べている。

 また、「我々が彼にできることは、もうそれほど多くない。ドライバーはいつまでもホンダを頼ることはできない。今のキャリアの段階では、自分で考えなければならない」との言葉も発せられている。

 そしてトピック内では、レッドブルのヘルムート・マルコ顧問のコメントもあり、『Motorsport.com』からの引用として、角田の今季への見解を伝えている。

 マルコ顧問は、「良い結果を出せばF1での未来はあるが、そうでなければ、もはやF1に居場所はなくなるかもしれない」と断じている他、新たにコンビを組む、アイザック・ハジャーの存在にも言及。

「ツノダの隣には若くて速いチームメイトがいる。彼の未来は自分次第であり、自らでモチベーションを高めなければならない」と主張。チーム内の若きライバルを上回る必要があると訴えている。

『F1i.com』は角田を取り巻く人物の胸中を伝えた上で、開幕戦のオーストラリアGPから「ツノダはF1キャリア最大の試練に立ち向かうことになる」としており、新シーズンでの戦いについても、「もしこのプレッシャーを跳ねのけ、チャンスをつかむことができれば、新たな展開が訪れるかもしれない」などと見通している。

 未来を切り開くため、これまで以上の結果が求められている角田の走りはシーズンを通して大きな注目を集めることは間違いない。2025年の初戦、オーストラリアGPは現地時間3月14日に開幕する。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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