ウォルターズは守護神候補に駆け上がっている(C)産経新聞社
プロ野球の開幕まで3週間を切り、各チームは調整に励んでいる。中日も2月下旬から沖縄~名古屋~甲子園~北海道とオープン戦をこなし、徐々に本番モードに近づいている印象だ。
本稿では外国人枠の運用について、まとめたい(データは3月10日現在)。
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■登録枠、所属選手を整理
1軍に登録できる外国人枠は「5」で、今季もコロナ禍以降の特例が続く。そのうちベンチ入りできるのは4人まで。投手4人または野手4人登録は禁じられている。
今季の中日の外国人選手は以下の陣容だ(カッコ内は育成契約)。
投手:マラー、メヒア、マルテ、ウォルターズ(マルティネス)
内野手:カリステ、ロドリゲス
外野手:ボスラー(モニエル)
投手のウンベルト・メヒア、内野手のオルランド・カリステとクリスチャン・ロドリゲス、育成外野手のカルロス・モニエルは昨季から引き続きの在籍。そのほかは今季からの新加入だ。
■マラーとメヒアで「2」枠確定か
ここからは具体的にどのような運用がされるかを考察したい。
投手はメヒアとカイル・マラーが先発タイプ。ジュニオル・マルテ、ナッシュ・ウォルターズが救援タイプだ。
この中で、マラーはすでに井上一樹監督からローテ入りを確約されている。メジャーで開幕投手を務めた経験を持つ左の剛腕で、高橋宏斗との二枚看板を形成してくれるだろう。
来日3年目のメヒアも黙っていない。オープン戦で好投を続けており、開幕ローテがほぼ確定の状況。まずは「2」枠が決まった。
救援で使えるのは残り「1」枠。実績ではメジャー通算102登板のマルテが上回るが、チーム合流がキャンプ終盤だったこともあり、ここまで実戦での登板はゼロ。開幕に間に合うかは不透明だ。
そこで浮上するのがウォルターズ。昨季までマイナー2Aで投げていたこともあり、当初は保険扱いと見られたが、実戦に入ると155キロ前後の速球とスライダーで打者を制圧。制球も悪くなく、一気に守護神候補にまで駆け上がっている。
■野手はカリステ&ボスラーの「2」枠
野手は基本的にカリステとジェイソン・ボスラーの2人で回すことになるか。
来日3年目のカリステは、内外野守れるユーティリティ性とパンチ力で価値を示し、チームのアクセントとなっている。献身的な人柄でも知られており、今やチームに欠かせない存在だ。
新加入のボスラーはチームに少ない左の大砲。オープン戦で阪神・才木浩人から特大弾を放つなど、早くも日本野球に適応しており、主軸での活躍が期待される。上半身のコンディション不良で離脱中だが、開幕には間に合う見込みだ。
■しばらくは「投手3・野手2」の枠運用か
以上のことから、開幕の外国人枠は以下の形で進めるのではないか。
投手:マラー、メヒア、ウォルターズ
野手:カリステ、ボスラー
(※マラーとメヒアは先発日に登録の可能性)
いずれにせよ、しばらくは「投手3・野手2」の枠運用でいくと見る。
マラーとメヒアの状態を見て、マルテ&ウォルターズの救援コンビに枠を割くこともあるだろうし、二遊間に不具合が生じればロドリゲスの出番が回ってくるかもしれない。長いペナントレース、いかなる状況も想定しておきたい。
[文:尾張はじめ]