支配下となった工藤の快投も注目されている(C)産経新聞社
3月28日の開幕戦を前に複数のチームで育成から支配下登録される選手も出始めた。
キャンプ、オープン戦のアピールも実り、目指す支配下を勝ち取り、今後は1軍舞台での活躍が期待される。
【期待の若手】阪神工藤泰成と日本ハム松岡洸希が支配下登録!!『こんな剛腕が育成にいたなんて…』投手2人の評価は…
まず阪神からは育成ドラフト1位で入団した工藤泰成(四国アイランドリーグ・徳島)が先に支配下登録が決まり、話題を呼んでいる。
実戦が始まるといきなり158キロを計測、筋肉隆々の体つきも注目され、無失点リレーを続けた。
背番号「24」のお披露目となった11日の西武戦でも5回に2番手として登板すると1イニングをわずか9球、最速156キロをマークと圧巻のピッチング。これでオープン戦3登板で無失点、防御率は「0.00」を維持している(12日時点)。
また日本ハムにおいても松岡洸希の支配下登録が発表された。2019年のドラフト3位で西武に入団。その後、22年オフに行われた第1回の現役ドラフトで日本ハムに移籍していた。
ただ23年は1軍登板がなく、オフに育成契約へ。今年のオープン戦では最速154キロの快投も注目されていた。
支配下登録された両投手をめぐっては球界内から考察の声があがっている。
現役時代は大洋(現DeNA)で活躍、引退後は日本代表コーチを務め、現在は野球解説者として活躍する高木豊氏は12日に自身のYouTubeチャンネルに「【期待の若手】阪神工藤泰成と日本ハム松岡洸希が支配下登録!!『こんな剛腕が育成にいたなんて…』投手2人の評価は…」と題した動画を更新。両投手について独自の考察を加えている。
まず工藤に関しては「やっぱ力だな」「相当力がある」「球が重そう」と評し、「伸びというよりもズドーンと来る」と球威ある投球が強みになるとした。
具体的には「これがストライクゾーンに決まっていけば、そんなに打てない」と打者も攻略に苦労するとしながら、今後の成長のための課題もあげた。
「1番やってほしいことは三振を取る。三振を取る技術を身につけてほしい」とキッパリ。ブルペンの一角として期待されるだけに「いくら(球が)速くても、三振取れないピッチャーもいるから」と、変化球の精度含め、三振を取る技術を磨くことを求めた。
理想は横浜(現DeNA)が日本一に輝いた際の守護神、佐々木主浩氏としながら、直球とフォークのコンビネーションで三振の山を築いたレジェンドにならって、自身の強みをさらに磨くことを期待した。
ただ、工藤に関しては「力のある球は魅力だな」と圧倒的な武器があるとしながら、「育成でよく獲れたね」とスカウトの優秀さをたたえる場面もあった。
さらに日本ハムで支配下登録となった松岡に関してはスリークォーター気味のフォームから球がよく動くことで「やっかいだと思う」と他球団も攻略に苦労すると見る。
新庄剛志監督が好む速球派投手としての働きが期待されるとした。
育成から支配下となったことでまずはスタートを切ったが、勝負はこれからが本番。両投手の1軍舞台での勇姿も楽しみにしたいところだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]