ブルージェイズとの契約交渉が破談したゲレーロJr.。(C)Getty Images

 去る2月19日、一つの交渉破談が球界で小さくない話題となった。

 渦中の人となったのは、ブルージェイズの主砲ブラディミール・ゲレーロJr.。昨オフから契約延長交渉を重ねてきた25歳だったが、愛着を抱いていた球団との話し合いは破談を迎えた。

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 争点となったのは、両者の間に生じた“溝”だ。ブルージェイズは3億4000万ドル(約517億円)を提示したが、ゲレーロJr.は「自分が求めている金額には全く届いていない」と固辞。その上で最大5億ドル(約750億円)となるメガディールを要求したが、球団側も折れず、交渉は暗礁に乗り上げた。

 波紋を呼んだのは、ゲレーロJr.の要求額だ。彼が球団につき返したとされる5億ドルは、大谷翔平がドジャースと締結した10年総額7億ドル(約1015億円=当時のレート)の現在価値である4億6000万ドル(約709億円)を超える規模。25歳の若さでMLB通算160本塁打、同OPS.863を記録してきたスラッガーとはいえ、「やや高い」という印象は否めない。

 当然、野球ファンからは辛辣な意見が飛んだ。米メディア『The Athletic』で交渉の内情が明るみにされると、ゲレーロJr.には懐疑的な声が噴出。Xでは「君のことは愛しているけど、君はショウヘイ・オオタニじゃない。金銭面でも彼に近づく価値もない」「ただフリーエージェントになる準備をしているだけ」「金の話ばかりでうんざり」といった意見が飛び交った。

 ブルージェイズの地元メディアでもゲレーロJr.の動静は小さくないトピックとなっている。日刊紙『The Star』は「彼にショウヘイ・オオタニの契約よりも価値があるか」と銘打った記事を掲載。球団との契約延長交渉で5億ドルの契約を要求したという報道を伝えた上で「ドジャースの二刀流の天才よりも多くの金額を要求しているゲレーロJr.だが、彼の現在の価値はそれよりも低いとみられている」と指摘した。

 果たして、本人が望む“大谷超え”は叶うのか。このままいけば、今オフにはFAとなるゲレーロJr.を巡っては、水面下で複数球団による獲得調査が始まったとされているだけに、その動向から目が離せない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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