スコアボードにゼロを刻み続ける菅野。開幕を前に調子は高まっている。
35歳のルーキーは、メジャーの強打者たちをも牛耳った。
現地時間3月14日、オリオールズの菅野智之がツインズとのオープン戦に先発。3回1/3を投げ、被安打はわずかに1本、4奪三振、無失点と快投。文字通りの完璧な内容で自身4試合連続無失点とした。
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背番号19がマウンドで存在感を放った。この日のツインズ打線は、エドゥアルド・ジュリエンやホセ・ミランダなど主力級の選手が顔を揃えたが、菅野は堂々たる投球を披露。初回と2回を危なげなく三者凡退で切り抜けると、3回には1死から四球で走者を出すも、後続打者を2者連続三振。多彩な変化球を駆使した緩急のある投球で全く寄せ付けなかった。
またもスコアボードにゼロを刻んだ。これで今春のオープン戦における菅野の投球成績は、4登板(3先発)で10回1/3を投げ、被安打5、防御率0.00、奪三振率9.58、WHIP0.77。貫禄すら漂わせる内容となっている。
巨人時代に3度のMVPに、沢村賞を2回も手にした実力派であった菅野だが、契約当初は、4シームの平均球速がメジャー平均を下回ることから「パワー不足」の懸念はあった。
日刊紙『The Baltimore Sun』のジェイコブ・メイヤー記者は自身のXで、「たかがスプリングトレーニング。しかし、今春のスガノは成功以外の何物でもない」と強調。さらに「彼は、今冬に人々が想定していたよりも、自分の底力(そして限界)が高いことを証明している」と絶賛した。
また、オリオールズを率いるブランドン・ハイド監督も先発ローテーションの一角を任せられそうな新戦力に太鼓判を押す。『The Baltimore Sun』に対して指揮官は、次のように答えた。
「我々はビデオで彼の制球力を見ていたし、スカウト陣も日本で大成功を収めた選手だと判断していた。そして我々が手にしたスカウティングレポートにはこう書かれていた。『本当に素晴らしい制球力と、いい決め球を投げる選手になるだろう』とね。彼は本当に投球というものを知っている」
開幕を前に声価を高めている菅野。巨人のエースとして腕を振るってきた35歳から目が離せない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]