戸郷を打ち崩し、満面の笑みでベースを一周する大谷。(C)Getty Images
メジャーリーグでも屈指の強力打線の恐ろしさを感じさせる猛攻だった。
3月15日に、東京ドームで行われた巨人とのプレシーズンゲームでドジャースは5-1で快勝。3回に大谷翔平が放った特大の2ランホームランを含む一気呵成の攻撃でセ・リーグの覇者を粉砕した。
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球場が騒然となる一発攻勢だった。立ち上がり2回をいずれも巨人先発の戸郷翔征に抑え込まれていたドジャース打線だったが、4回に先頭打者のマイケル・コンフォートが、右翼席に特大アーチを記録。これで流れを掴んだ“銀河系軍団”は、1点を追加してなおも無死二塁と好機を創出。ここで打席に入った大谷が右中間スタンドに打った瞬間にそれとわかる豪快アーチを放った。
背番号17の千両役者ぶりを物語る一発の余韻が冷めやらぬ中、ドジャース打線は俄然奮起。一死一塁としたところで4番のテオスカー・ヘルナンデスが左中間スタンドに三度一発を叩き込んだ。
怒涛の攻撃は圧巻だった。とりわけ興味深かったのは、相手が戸郷だったという点だ。昨季に3被弾していなかった右腕が、1試合3発も打たれるのは23年5月のロッテ戦以来の出来事。レギュラーシーズン開幕前を調整時とはいえ、ドジャース打線の破壊力を物語る光景だった。
また、ファンの間では、ドジャースの攻撃時に使用されたNPB球が話題となった。
今プレシーズンゲームではNPBチームの守備時には日本で使用されている公式球が用いられている。ただ、空気抵抗が少なく、反発係数が低いため、「飛ばない」とされるボールはデーゲームの阪神vsカブスでも後者の4番を務めた強打者ジャスティン・ターナーが「少し硬いね。そこまで遠くには飛ばなかった」と漏らすほど……。MLB公式のデータサイト「ベースボール・サバント」で本塁打期待率.970だった鈴木誠也の初速111.7マイル(約179.7キロ)の弾丸ライナーがセンターフライに終わるなど、明らかに飛距離への影響が出ていた。
しかし、ドジャース打線は「飛ばない」NPB球をもろともしなかった。戸郷の投じたボールが失投気味だったとはいえ、ファンを「ドジャース打線はやっぱエグい」「オオタニさんには関係なかったか」「打ちまくるじゃん。NPB球だよね?」「やっぱりドジャース打線はレベチ」と指摘した“破壊力”は流石と言う他にない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]