日本が8強入りしたラグビーW杯の台風余波はまだ続いている。
国際統括団体ワールドラグビーは7日、大型台風の影響を受けた10月13日の日本―スコットランド戦の開催をめぐり、中止になった場合は法的措置も辞さないなど強硬な発言をしたスコットランドラグビー協会に対し、けん責処分と罰金7万ポンド(約980万円)を言い渡した。
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国際統括団体がけん責処分と罰金を言い渡すも…
これを受け、スコットランド協会マーク・ドッドソン最高経営責任者(CEO)は「スポーツ仲裁裁判所に訴える」と徹底抗戦の姿勢だという。地元メディアによると、同CEOは到底納得できる処分ではないと主張し「私たちはスコットランドのラグビー界と我々のチームの正当性を守る義務がある。そのために全ての選択肢を模索している」などと話している。
南アフリカの優勝で幕を閉じたW杯日本大会は、自然災害の脅威に直面した大会でもあった。
中止になれば、0-0の引き分け扱いとなる。中止3試合のうち、1試合は1次リーグ突破に直結する一戦だった。グループB最終戦だったイタリアはニュージーランドとの直接対決に勝てば決勝トーナメント進出の可能性を残していたが、戦わずして涙をのんだ。
グループD最終戦の日本戦が開催されなければ決勝トーナメントに進めなかったスコットランドは、何としても試合の開催を望んでいた。
W杯の課題
「日本対スコットランド」戦を開催するために、舞台裏ではさまざまなドラマがあった。
会場の横浜国際総合競技場では建物の一部が被害を受けたが、スタッフが夜通しで復旧に尽力。交通機関が混乱したが、朝早くから総勢2000人が駆けつけ土砂の清掃や、大型スポンジを使って通路の雨水を吸うなど、急ピッチの作業で開催にこぎつけた。もし新横浜で開催できなかった場合、大会基準を満たしていない東京・秩父宮ラグビー場での無観客試合プランも検討され、準備を進めていたという。
ドットソンCEOの一連の発言はスコットランド国民の声を代弁したものといわれているが、一方で「日本で台風災害の確率が高い時期に、なぜW杯を開催しなければいけなかったのか」という根本的な問題も突きつけている。
初開催だった日本W杯の課題が、台風の「爪痕」として残された。
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[文/構成:ココカラネクスト編集部]