生活をしている中で「ストレス」を感じたことのない人はほとんどいないでしょう。

ストレスが引き金になって様々な体の不調が出る場合も少なくありませんが、ストレスからなぜ不調が引き起こされるのかをご存知ですか?

今回はストレスと体のつながりについて説明していきます。

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ストレスってなに?

ストレスという用語は、もともとは物理学の分野で使われていたもので、「物体の外側からかけられた圧力によって歪みが生じた状態」を言います。

ストレスを棒に例えてみると、棒を曲げようとする力を「ストレッサー」と言い、ストレッサーによって棒が歪んだ状態を「ストレス反応」と言います。

医学の領域では、ストレスという言葉を「ストレス学説」という論文で初めて医学用語として使用したのはオーストリアの生理学者ハンス・セリエ(1907~1982)です。

ここでは心や体にかかる外部からの刺激をストレッサーと言い、ストレッサーに適応しようとして、心や体に生じたさまざまな反応をストレス反応と言います。

私たちの心や体に影響を及ぼすストレッサーには、主に以下の4つがあります。

①物理的ストレッサー:暑さや寒さ、騒音や混雑など
②化学的ストレッサー:公害物質、薬物、酸素欠乏・過剰、たばこなど
③精神的ストレッサー:人間関係や仕事の問題、家庭の問題など
④生物的ストレッサー:炎症やウィルス、カビなど

これらのストレッサーによって様々な不調が引き起こされます。

心理面では、イライラしたり、趣味や仕事をする意欲が低下したりなどがあります。


身体面では、頭痛や肩こり、腰痛、眼精疲労、動悸、不眠など様々な症状があります。
行動面にも影響を与え、お酒の量やたばこの量が増えたり、簡単な仕事でのミスが増えたり、貧乏震えなどがあります。

これらの不調がなぜ引き起こされるのか。体の内部で起こる反応を説明していきます。

ストレスによる体の反応

人間はストレスに適応できる能力がありますがこれを「ホメオスタシス(生体恒常性)」と言います。

ホメオスタシスは体を環境に適応させる機能であり、自律神経系と内分泌系、免疫系によってバランスが保たれています。

そして、このバランスを崩してしまうのがストレスなのです。

ストレス刺激が加わると、脳にある視床下部が作動し、自律神経系や内分泌系、免疫系も作動し、その時々に適した状態に体を適応させます。

しかし、長期間ストレス刺激が加わり続けると自律神経系が乱れて交感神経ばかりが優位に働き、視床下部から副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンが分泌され続けることになります。そして、ホルモンもストレス状態を防御しきれなくっていきます。

またそれだけでなく、外部からのストレッサーが免疫機能に影響を及ぼし、自律神経系と内分泌系の働きを変調させることもあります。

このようなメカニズムで体の健康を保っている自律神経系・内分泌系・免疫系が崩れてしまい、様々な不調が引き起こされます。


いかがだったでしょうか?

難しい説明となってしまいましたが、ストレスと言っても種類は様々あり、色々なストレスにさらされながら日々、生活をしていることがおわかりになったでしょうか。

また、各個人でストレスに対する感受性は違い、ストレスはいつでも、どこにでも存在するものです。ストレスをなくすことはできないため「いかに上手に付き合うか」と考え方を変える必要があります。

健康や生命に危険を及ぼすストレスもありますので、その存在に早く気づき、対処することをおすすめします。

[文:JITANBODY 整体院(時短ボディ)]

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。