ダイエットや健康的な食事というと「何をどのくらい食べるか?」がメインだった今まで。時間栄養学の研究により、最近では、食べる時間や朝昼晩の食事の比率で健康面やダイエットに影響を与えることがわかってきました。

「時間栄養学」とは、私たちのカラダの中にある時計、つまり体内時計から考えられた栄養学のことで、「いつ何を食べるか?」という視点がポイントです。そこで今回は、時間栄養学をもとに、賢い食事法をご紹介します。

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時間栄養学と食事の関係

 地球の動きに合わせると1日は24時間ですが、私たち人間の生体リズムは少し長く25時間で活動を行っています。この1時間のズレを調整し24時間周期に合わせて、体内時計をリセットするスイッチとなるのが、「太陽の光」と「食事」です。

太陽の光
起床後、朝の光を浴びることで、体内時計をつかさどる脳の「時間遺伝子」が働き、体内時計がリセットされます。これにより活動のピークである日中に向けて1日がスタートします。

食事
決まった時間に食事をすることで、消化・吸収やその代謝に関る酵素の働きを調整する体内時計をスムーズにしてくれます。

逆に、昼夜逆転したような生活では、そのリズムが乱れ、生理的パフォーマンスは低下してしまします。また、3食の中でも特に朝食を摂ることが大切で、内臓の働きを調整する「末端時計遺伝子」は、朝食を食べることで働きはじめます。

おすすめの食事の3つの摂り方

 時間栄養学の食事の基本は、栄養バランスの良い規則正しい食生活。朝食4:昼食3:夕食3が理想的な食事比率(※1)で、ポイントは食事パターンを朝型にすることです。

1. 「朝食」を必ず摂る
 朝食は英語でbreakfast。空腹(fast)を断ち切る(break)という意味があります。

朝食の刺激が、カラダ全体に目覚めを伝える信号となるからです。朝食を抜くと、1日のカラダの動きが順調にスタートせず、肥満になりやすい要素が増えていきます。

 また、朝食の時間が遅くなると、カラダをリセットさせる時間がズレてしまうので、起床後2時間以内に朝食を摂るのがおすすめです。

2. 炭水化物+タンパク質でバランスよく
 朝食による体内時計の調整には、炭水化物とタンパク質の両方が必要であることがわかってきています。炭水化物がカラダを動かすエネルギー源となることはもちろんのこと、タンパク質は、体内の時計遺伝子を効率よく働かせてくれるからです。

 そこで、朝食はご飯やパンの単品だけでなく、卵・納豆・チーズなどタンパク質と一緒に摂るように心がけましょう。


3. 夕食は朝食から12時間以内にする
 アメリカの研究によると、夕食から朝食まで一定時間絶食をすることで、体重の減少と睡眠の改善が見られたという報告があります(※2)。できるだけ夕食から朝食まで12時間程度あいだをあける(※1)こと。

 例えば、朝食が7時なら、夕食は19時が理想的です。残業などで難しい場合は、まず19時におにぎりやパンなどで主食を摂り、帰宅後は肉や魚・野菜で主菜・副菜を軽めに食べる分食がおすすめです。

 昼食と夕食の間が空きすぎて血糖値が下がり空腹感が増すことで、夕食を多く摂りがちな方は、時間を決めてナッツ類やヨーグルトなどの低GI食品を間食に摂るなど工夫するのもよいですね。

 朝の光をたっぷり浴びて、規則正しく栄養バランスの良い朝食を食べる。

「何をどのくらい食べるか?」にプラスして「いつ何を食べるか?」も意識した食生活で体内時計を整えることは、健康でパフォーマンスの良い生活の基本なのですね。

【参考・参照】
(※1) 公益財団法人 日本栄養士会 健康増進のしおり 2017-3 『時間栄養学で見直す食生活1日3食「いつ」食べる?「どう」食べる?』
平成29年度(平成29年10月発行)

「あすけんダイエット – 栄養士が無料であなたのダイエットをサポート(www.asken.jp)」

[文:あすけん 管理栄養士]

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。