試合最終盤まで苦しみながらも、何とか初戦白星発進を飾った野球日本代表の侍ジャパン。31日には1次リーグ2戦目のメキシコ戦を迎える。
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24人と通常の国際大会より少ない限られたメンバーのため、一人一人に懸かる重責も大きい。ただその中でも一人キーマンを挙げるとなるならば、クローザーを任されている広島・栗林良吏投手だろう。
過去の五輪において、プロ1年目の新人がメンバー入りしたケースはない。今大会は栗林の他にも、日本ハムの伊藤大海投手が代表入り。初の新人選手が2人もそろう布陣。
栗林は28日の初戦・ドミニカ共和国戦で早速代表デビューを飾った。1-2と1点ビハインドの9回に5番手で登板。先頭メヒアに二塁打され、四球で走者をためた。1死一、三塁からは9番打者のヌニェスに右中間を破られて失点。ただその後は1番ボニファシオ、2番ロドリゲスを2者連続空振り三振に仕留め、高い奪三振能力を改めて示した。
広島ではデビューから22試合連続無失点という球団新記録を達成したミスター・ゼロ。重圧もあったのか、侍デビュー戦ではいきなり失点するホロ苦デビューでもあった。
金メダルへ、誰よりも刺激になる妹分がいる。野球競技よりも一足先に行われたソフトボールで金メダル獲得に導いた後藤希友投手だ。
弱冠二十歳の後藤は、先発の上野由岐子に続く2番手として主に登板。決勝の米国戦では最終回のマウンドはリスタートした上野に譲ったものの、日の丸守護神としてチームになくてはならない存在でフル回転した。
「ああしてチームを救える選手になりたい。自分も負けずにやりたい」と誓った栗林。実は社会人・トヨタ自動車には同期入団。「入社式でお会いしたことがあります」と面識があり、代表で任されるポジションも同じとあって、意識せずにはいられない妹分だ。
侍ジャパンは7回を山崎康晃、8回を平良海馬、そして9回を栗林という勝利の方程式を描いている。ドミニカ共和国戦は0-0のスコアレスドローのまま7回を迎えて、青柳晃洋が登板して失点したが、リードした展開で終盤を迎えれば、その3投手が勝負のマウンドを託される見込み。
結果的にドミニカ共和国戦は栗林が傷口を広げる形になったが、その裏にチームが3点を奪い奇跡的な逆転サヨナラ勝ちを飾った。栗林は前半戦を終えて0勝1敗、リーグ2位の18セーブで防御率0・53という成績を残していた。ドミニカ共和国戦では勝利投手が栗林となり、思わぬ形でのプロ初勝利が舞い込むことになった。
「準備を考え直して、入りから勝負できるように。チームの勝利に貢献できるようにしないといけない」と課題を口にした栗林。後藤に続き、日の丸守護神として金メダルを手にすることができるか。
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]