なぜ安田? 疑問だらけのオールスターファン投票ノミネートはNPB自ら球宴の権威を損ねる行為
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 「マイナビオールスターゲーム2022」(7月26日・ペイペイドーム、27日・松山)のファン投票が26日に始まった。ファン投票では記名式もネット投票も、球団が選んだ守備位置ごとのノミネート選手を選択するか、もしくはそれ以外の「推し」の選手を記名する。そのノミネートが一部で物議を醸した。

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 楽天が捕手部門でドラフト2位の安田悠馬捕手をノミネートしたのだ。ネット投票のノミネート画面にも成績が表示されて分かるのだが、今季はわずか3試合の出場で打率・250、1本塁打、1打点。長打力がキャンプから注目され、期待のルーキーの一人ではあった。開幕スタメンマスクを勝ち取ったが、開幕直後に新型コロナウイルスに感染して離脱。1軍復帰へ向けて2軍調整中だった5月上旬には左手人さし指を負傷し、現在もプレーできていない。

 他の捕手がどんぐりの背比べで、適任者がいないというのなら分かる。だが、安田離脱後は炭谷銀仁朗が正捕手の座に定着。安定したインサイドワークで、ここまで首位を走る好スタートに導いた。今季は25日まで、36試合に出場し打率・233、1本塁打、8打点。そしてこの打撃成績以上に、捕手として大きくチームに貢献していることは、石井監督も認めて高く評価している。

 その炭谷の名前が挙がらず、安田がノミネートされた。「これは有り得ない」「炭谷に失礼」「安田に対してもかわいそう」など、楽天ファンだけでなく、首を捻るプロ野球ファンが続出している。

 もちろん他にも今季1軍での実績がない選手は何人かいる。オリックスのT-岡田は3月のオープン戦でふくらはぎを故障し、現在も1軍出場はない。それでも過去の実績を考えれば、ノミネートに値する選手であることは間違いないだろう。5月中旬に2軍で実戦復帰し、1軍復帰も近そうだ。

 球団がノミネートする時期に問題がありそうだ。正確な時期はアナウンスされていないが、恐らく4月中の、それもかなり早い段階で締め切られたとみられる。投票用紙を印刷する都合があるのだろうが、それにしても5月のゴールデンウィーク明けに決めれば、いくらでも対応できそうだ。取りまとめる日本野球機構(NPB)も、こうした事態も想定し、締め切り時期を遅らせて、自らは機動力を高めるべきだ。

 ヤクルトでは外野手でサンタナのノミネートも問題視されている。負傷で長期離脱しており、オールスター出場に間に合う可能性は低い。4月28日には左膝の半月板のクリーニング手術を行ったことが発表された。その時点でファン投票ノミネートは締め切られていたと見るべきだろう。

 用紙は差し替えが難しくても、ネット上のノミネート選手だけでも変更するべきではないのか。オールスターへの出場が現実的ではない選手がノミネートされ、誤ってその選手を選んでしまう投票者が出てしまう恐れはある。役所仕事として前年踏襲し、事態に応じた適応が全くできない典型のような今回のファン投票ノミネート。ファンに対しても失礼だし、メジャーリーグに比べて低いと言われるオールスターの権威を、NPB自らが損ねていることに気付くべきだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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