NHK連続テレビ小説「ちむどんどん」の謎展開に対する辛口批評が止まりません。
しかし、いくら脚本が無茶苦茶でも、ついつい見てしまうのが朝ドラの魔力と言えるでしょう。
そんな朝ドラを巡って、朝刊紙のテレビ欄で繰り広げられた論戦が最近、話題になりました。
テーマはズバリ、「朝ドラ受け」は是か非か?というものです。
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「朝ドラ受け」の起源は諸説ありますが、一般的には2010年3月の「あさイチ」スタートとともに、が定説です。有働由美子さんと井ノ原快彦さんが始めたことから「恒例」となり、今年でもう12年が経とうとしています。
メディア関係者が言います。
「『朝ドラ受け』はNHKならではの粋な仕掛けです。民放ではCMが入るので、連続性を帯びてドラマの感想を伝えることは絶対に不可能ですから。今では『受けも込みで朝ドラ』と言われるほど、『あさイチ』のMCである博多華丸・大吉と鈴木奈穂子アナがオープニングで何を言うかには、期待をもって注目されています」
しかし、朝刊紙の読者投稿欄にはこれに敢然と「NO」を突きつける声が寄せられました。
「確かに影響力の強い3人のウィットに富んだやりとりを聞いてしまうと、視聴者一人ひとりが独自の余韻に浸る時間はありません。しかし、朝帯の地上波テレビはリアルタイム視聴者のほとんどが、仕事をしていない高齢者とも言われています。中には独り暮らしの方々も多いことでしょう。そんな人たちに『私たちも一緒に見ているよ』というメッセージを伝えることこそ、『朝ドラ受け』の偉大な効能とも言えるのです」(前述のメディア関係者)
なるほど。高齢化社会で孤立しがちな老人たちに、MCたちが「あなたは一人じゃない」と呼びかけることも、「朝ドラ受け」の仕事なんですね。
だからこそ、突発的なニュースや地震速報が入ってしまい、「朝ドラ受け」が飛んでしまった朝は、何だか寂しく思えます。
徐々に視聴率も上向きとなり、新たなサプライズの連続が期待されそうな「ちむどんどん」。まずは「第一視聴者」である「あさイチ」の3人を「ちむどんどん」させられるかが、今後の成否を分けるとも言えそうです。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]