2018年度のフリーエージェント(FA)宣言選手が14日に公示された。宣言したのはFA有資格者91人のうち5人。

西武・浅村、オリックス・西、広島・丸は国内FA宣言選手。西武・中村、西武・炭谷は海外FA宣言選手。うち中村は西武残留がすでに決定している。FA宣言選手は公示の翌日から、いずれの球団とも次年度選手契約締結交渉を行うことができる。

日本のFA制度は1993年オフから導入された。その後2003年、2008年に改正が行われた。

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 熱心なファンなら周知の問題に、日米のFAの違いがある。

米国メジャーリーグではメジャー在籍6年でFA権を手にする。一度資格を得れば、契約切れの選手は自動的に全員FAとなる。
それに対し、日本は最短でも高卒8年、大学・社会人卒7年で国内FA権を取得。海外FA取得には最短でも9年がかかる。そして保留者名簿に掲載される選手は、自ら宣言しない限りはFAとなることができない。


メジャーリーグでは、10月末に145人がFA選手として公示された。その数はオプション行使破棄などでどんどん増加中だ。日本は、結局わずか5人なのである。
取得にかかる年数はまた別の話として、自動的にFAとなるメジャー流であれば、多くの選手が移籍することとなり、移籍市場は活性化する。所属球団で出場機会に恵まれない選手は、より高く自分を評価してくれるチームで活躍のチャンスをうかがうことができる。

 一方で、選手の引退時期は早まると見られている。

レギュラー確約クラスでない限り、30代半ば以降で複数年契約を得ることは難しい。
ファンの中には、メジャー流の自動FAの方が面白い、プロであればよりキャリアアップを目指せる制度にすべき、という声は多い。
日本プロ野球選手会は、1軍在籍ではなく、入団からの経過したシーズン数によってFA資格を認める制度に改善するよう求めており、海外国内問わず7年でFA資格が取得できるよう求めている。

また日本では年俸によってA~Cの3段階にランク付けされ、Cランクを除きFA移籍には補償金と人的補償が必要となる。これが宣言への足かせにもなっている。
メジャーにも補償制度は存在する。

FAとなる選手の所属球団は、クオリファイングオファー(QO)という決められた年俸での単年契約を提示できる。QOを拒否したFA選手と契約した球団は、旧所属球団にドラフト上位指名権を譲渡しなければならない。

ただ自動FAならば、補償が足かせとなることはない。

 もっとも、宣言が必要な日本流のFA制度によって、守られている選手も一部にはいるだろう。彼らが「生え抜き名バイプレーヤー」として、ファンに広く愛されているのも事実。
社会的背景もあり、メジャーのFAには米国流のドライでビジネスライクな転職世界が。

日本のFAには旧態依然とした終身雇用社会といった文化が透けて見える。

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]