中継ぎエースとしてチームを支えた安樂は自由契約と最悪の結末となった(C)CoCoKARAnext

 世間を揺るがせた楽天・安楽智大投手のパワーハラスメント問題は当該投手の自由契約と厳しい結果となった。

 楽天球団は11月30日に本拠地・楽天モバイルパークで会見を行い、後輩選手へのパワハラ騒動で自宅待機となっていた安楽投手について、自由契約とする方針を示した。

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 今回の騒動は安楽の後輩複数選手から球団フロントに訴えがあり、発覚。内容は「アホ、バカ」などの罵声を浴びせる、ロッカールームで下半身を露出させる、罰金という名目で一部選手に対して支払いを強要などし烈なハラスメント行為が明らかになった。球団は訴えを受けて、選手、スタッフら計137人にアンケートを実施。球団側は直接的な被害を受けたのは10人、見聞きしたのは40人と公表した。

 会見に出席した森井誠之球団社長は、パワーハラスメントに関して「ほぼ事実」と認めた。本人にも聴取し、自由契約とした。

本人は反省の弁を繰り返しているという。

 済美高校から14年にドラフト1位入団、近年は3年連続で50試合以上に登板など、中継ぎエースとして存在感を示していた右腕のパワハラ問題は社会にも衝撃を与えた。

 球団は今回の事態を受けて再発防止策として、匿名で相談できる窓口設置や、選手へも今後専門家を招き、改めてハラスメント講習を行うとした。

 鳴り物入りで入団したドラフト1位右腕の自由契約という最悪な事態に陥った球団をめぐっては、管理体制の甘さも問われている。

 従来からコンプライアンスは重視していたとされるが、ハラスメント行為は横行した。直接的な行為を見聞きしたのが「40人」という多さにも根の深さを感じさせる。

 さらに安楽問題は今後の球団の方向性にも影を落としそうだ。今回明らかになったのは、閉鎖的な状況が常態化していたという事実、し烈なパワハラを行っていた安楽に対して、誰も止められなかったというチーム内の風通しの悪さも浮き彫りとなった。

 特に近年のFAやドラフトにおいては、選手においても「働きやすさ」を求める傾向にあり、今回の出来事は今後の補強戦略にも少なからず影響を及ぼす可能性が出てきた。

 チーム内の士気低下も懸念される。来季から指揮を執る今江敏晃監督も今回の事態にはショックを受けているとされるが、今回の安楽問題においては告発した後輩選手へのケアの必要性が指摘されている。勇気を持ってフロントに訴えた選手たちが今後もプロ野球人生を続けられるように球団も気を配る必要があるだろう。


 今季はWBC世界一奪還から始まり、阪神の38年ぶりの日本一、アジアプロ野球チャンピオンシップの連覇など明るい話題が多かった球界の最後に飛び込んできた何とも重苦しいニュース。ここで膿を出し切れるか。「ノーモア・ハラスメント」に対し球団の姿勢が問われている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]