タパレスとの一騎打ちが間近に迫り、井上への注目度も高まっている。(C)Getty Images

 歴史を紡げるか。

日進月歩で進化を続けてきた井上尚弥(大橋)の大一番が迫っている。

 今年7月にスティーブン・フルトン(米国)のメガマッチを制し、ボクシングの世界WBC・WBOスーパーバンタム級王者となった井上は、来る12月26日にWBA・IBFスーパーバンタム級王者のマーロン・タパレス(フィリピン)との4団体統一戦に挑む。ここで勝てば、史上2人目となる2階級での4団体統一という快挙となる。

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 現時点での周囲の下馬評は井上の「圧倒的有利」という見方が強い。当人は「思った以上に技術は高い」と相手を警戒してはいるが、タパレスの母国メディアでも「タパレスにチャンスがあるとすれば、それはイノウエが彼を過小評価すること」(フィリピン放送局『ABS-CBN』のエド・トレンティーノ氏談)と語られるほどだ。

 もっとも、フィリピンの刺客による番狂わせを予想する声が全くないわけではない。

フィリピン大手ニュースサイト『GMA Online Network』は、母国で合宿を行ったタパレスのスパーリングパートナーを務めたジョン・ジョン・エストラーダ(フィリピン)のコメントを紹介。17勝(14KO)11敗1分けのキャリアを誇るフェザー級戦士は、「タパレスはとても自信に満ち溢れている。彼のパンチに驚かされた。スピードとパワーがあった」と強調し、井上戦に向けた楽観的とも言える見方を披露した。

「イノウエが殴り合いを選択したらタパレスに不可能なことは何もないと思う。12ラウンド戦い切ったとしても俺はタパレスの勝利を予想する。

彼は決して手を緩めないし、手数も多い。距離を詰めてくるしアグレッシブだからだ」

 実際に拳を交わし、タパレス勝利への自信を深めたというエストラーダは、「タパレスにチャンスがないと言う奴らのことは信じないさ」と反発。そして、次のように断言している。

「タパレスは、現世界2階級制覇王者で、毎日のようにハードなトレーニングも積んでいるんだぞ? 彼はしっかりと準備を進めていて万全の状態だ。スパーリングで俺が経験したことから言えば、彼はイノウエに負けないぐらいに強いぞ」

 1階級上の難敵から太鼓判を押されたタパレス。日増しに試合に向けた緊張感が高まっているなかで、不気味な雰囲気を漂わせる猛者を相手に、井上がどう挑むかは実に興味深いところだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]