今季も打撃で好調を維持しているトラウト(C)Getty Images

 果たして、今季は愛する球団を離れるのか。球界屈指の強打者でありながら、チームタイトルに恵まれないマイク・トラウトの動静が小さくない話題を呼んでいる。

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 彼が所属するエンゼルスは、今季にカート・スズキ監督による新体制を発足。若さを重視したチーム作りで、12年ぶりのプレーオフ進出を目指している。がしかし、その前途は多難そのもの。レギュラーシーズンの開幕から約2か月で18勝34敗と大きく負け越し。攻守に安定感が欠ける戦いから巻き返しも困難という米球界内の見方は日増しに強まっている。

 そうした中で、これまで以上に注目されるのは、絶対的主砲であるトラウトの“放出”を巡る論争だ。

 過去3度のMVPに輝いた実力は健在だ。今季もここまで51試合に出場して、打率こそ.239ながら12本塁打、出塁率.404、長打率.483、OPS.887と活躍。34歳となって守備負担の懸念は抱えているが、いまだ大きな衰えは見られない。

 ゆえに不振が続くエンゼルスが、チーム再建のために見返りが見込めるうちにトラウトを「売りに出す」というシナリオは、MLBにおいては常識的とも言える。しかし、一方で19年に12年総額4億2650万ドル(約678億7961万円)の超大型契約を締結したスーパースターとは、26年以降も5年1億8560万ドル(約288億6500万円)が残されている。そのため、負担を負う買い手側が交渉に応じるかは不透明。

また、本人との12年契約にトレード拒否権が付帯していることも交渉を捗らせない原因ともなっている。

 それでもトラウトをトレードすべきという声は尽きない。米メディア『The Big Lead』は、「彼を獲得するための交渉は複雑。非常に複雑だ。残された巨額の契約、相次ぐ故障歴、トレード拒否権行使の意向、そして必要になる有望株のコストなど、多くの要素が絡み合う」と指摘。その交渉が一筋縄ではいかないと示唆した上で、実現の可能性を論じている。

「キャリアの晩年に差し掛かり、トラウトが環境を変える必要があるかもしれないという議論は、無視できないものになりつつある。ただ、すべてのチームがトレードを成功させられるわけではない。ヤンキースやフィリーズなど移籍先候補としてすぐに思い浮かぶが、あらゆる条件を満たす最高のチームは一つしかない。それはドジャースだ。現行契約を受け入れられる財政力に、トレードを成立させるのに十分な組織力は、まさに理想的な移籍先と言えるだろう」

 もっとも、当人は世間を賑わせる憶測に耳を貸す気はない。米紙『New York Post』で「(トレードのことは)考えてもいない。

そんな話はしたくない」とキッパリ。あくまでエンゼルスでの戦いに集中する意向を強く示している。

 それでも、球界屈指の偉才が「唯一足りていない」とされるタイトルのために動く可能性はあるのか。いずれにしても、トレード期限が迫る今夏もエンゼルスの動静は注目を集めそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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