ようやく地力を発揮し始め、チームメイトとのケミストリーも高まり始めている今井(C)Getty Images

 NPBを席巻した力がようやく見え始めてきている。

 現地時間6月6日、アストロズの今井達也は本拠地でのアスレチックス戦に先発登板。

3回に2点を失ったものの、5回(92球)を投げ、被安打5、2失点、8奪三振と力投。14安打、13得点を記録した味方打線の援護もあって3勝目を挙げた。

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 試合後に米紙『Houston Chronicle』のインタビューで「あまり考えすぎないようにリズムを意識した。全体的に悪くはなかった」と淡々と振り返った今井。この日は「まだ試合で使える状況じゃない」というスプリットも試す“余裕”も見せながら、スライダーと4シームを軸にアスレチックス打線を翻弄。空振り率43%というハイスタッツも残した。

 ようやくメジャーの水に馴染んできた。昨年12月に投球回数に応じた出来高払いと毎シーズンのオプトアウト条項が付帯する3年総額5400万ドル(約85億円)で契約した今井だったが、開幕から防御率7点台と打ち込まれた4月に「こっち(アメリカ)のライフスタイルにアジャストできていない。たぶんそれが(右腕疲労の)原因だと思う」と吐露。異国に合わせる難しさを語った言動が、現地メディアで結果の出ない“言い訳”として切り取られ、批判を浴びた。

 そこから数か月で今井にも変化が見られている。右肩コンディション不良が改善され始めた直近4戦で防御率2.90の好投を続けている。

 ようやく成長の軌跡が見え始めた28歳に「イマイ自身が、このチームを『ファミリー』、そしてグループの一員であると、より強く実感できていることが何より大きいね」と目を細めるのは、ジョー・エスパーダ監督だ。

 アスレチックス戦の会見で今井の現況について意見を求められたエスパーダ監督は、技術面以上にメンタル面での改善が結果に作用していると論じた。

「イマイは日本からやってきたんだ。その中で今までとは全く異なる選手たちのいる組織、そして完全に異なる文化の中で人間関係を築き上げていくというのは、決して簡単なことではない。しかし、彼は仲間たちのことを知り、仲間たちもまた彼のことを知ろうとしている。だからこそ、彼は自分にチームメイトの支えがあるんだと実感できているはずだ。クラブハウスでも見違えるほど居心地が良さそうに過ごしている」

 さらに「ここ1か月のイマイは、マウンド上でのパフォーマンスだけじゃない。クラブハウスでの立ち振る舞いも含めて本当に見事だ」と、異国からやってきた28歳について語った指揮官は、こうも続けている。

「周囲と打ち解けて安心できるようになると、人は『もう少し自分らしく振る舞ってもいいのかもしれない』と思えるようになる。その心の余裕こそが、メジャーリーグという大舞台で、ピッチャーとしての本来の姿を確立していくプロセスに繋がっている。イマイは我々友完全に打ち解け、よりリラックスして、最高の関係を築けている。今日も仲間たちと冗談を交わし合っていましたが、あの光景こそが、今の充実ぶりを物語っていると思う」

 指揮官の言う通り、「いかに自分の一日を有意義に効率的に使えるかが大事」と充実の日々を語る今井。

周囲の環境も追いついた右腕は、ここから一気に飛躍していく。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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