中国とロシアが国交樹立から70年~それでも脆弱な両国の関係

中国とロシアは弱者同盟~妥協の産物

宮家)ええ。であれば、中国とロシアの仲がいいわけがないでしょう。でも、アメリカとカナダなんて似たような人種構成ではないですか。ところが、中国とロシアは人種も文化もまるで違うのですよ。この2つの国が対米連携をアピールしていますが、それはいまアメリカとの関係がどちらも悪いからです。しかし、アメリカとの関係がよくなったらどうしますか? アメリカを取りますよ、それはアメリカの方がいいに決まっているのだから。今の中露は一種の弱者同盟なので、うまく機能するとは思いません。そして特に今言えるのは、アメリカと中国の関係がおかしくなっている。きょうの日経新聞に非常に良い記事が出ています。フィナンシャルタイムズの人が書いたのですけれど、イギリスの知性が米中関係をどのように見ているかという意味で参考になると思います。簡単に言うと、米中がいまやっていることは間違いである、間違いだけれどこれが現実であると。アメリカと中国は100年戦争だと言っているのです。

飯田)日経新聞の5面、オピニオンのところに出ております。『米「対中100年戦争」の愚』 、フィナンシャルタイムズのチーフ・エコノミクス・コメンテーター、マーティン・ウルフ氏が長文を書いています。

宮家)要するに、アメリカと中国の関係が抜き差しならない険悪な状態になると、プーチンさんの身になって考えて下さい。アメリカと中国はこれからそうとうの大ゲンカをする。そのときにロシアの利益を考えたら、中国について一緒にアメリカと喧嘩しますか? そうしたら共倒れになる可能性がありますよ。私なら、とにかくアメリカに「お手伝いしてもいいですよ。そのかわり、クリミア併合のときの経済制裁を何とかしてください。何とかしてくれるのだったらそちらにつくから」と言うかもしれない。その方がロシアにとって利益が大きいかもしれません。中露とはその程度の関係ですよ。
両者は戦略的な同盟国ではなくて、あくまで戦術的な協力者、妥協の産物です。そういうものだと考えたときに、アピールをするのはけっこうだけれど、実はそこに弱点があると見ています。もちろん当面両者は協力しますよ、両方ともアメリカとの関係が厳しいから。しかしその後、中国が強くなりすぎたときにロシアがどう対応するか。ロシアは中国ではなく、他のオプションを考えるかもしれない。中露はまだまだ脆弱な関係だと思います。


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