樹木希林が遺作で、“いま”を生きる人に伝えたかったこと

【しゃベルシネマ by 八雲ふみね 第674回】

さぁ、開演のベルが鳴りました。支配人の八雲ふみねです。シネマアナリストの八雲ふみねが観ると誰かにしゃベりたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。

今回は、8月16日に公開された『命みじかし、恋せよ乙女』を掘り起こします。

樹木希林が遺作で、“いま”を生きる人に伝えたかったこと

ドイツの“デーモン”と日本の“幽霊”をテーマに、生きることの美しさと残酷さを描く

ドイツ、ミュンヘン。酒に溺れたことが原因で仕事を失い、妻子と離れて1人で暮らしているカール。孤独に苦しむ彼は、泥酔した末に“モノノケ”を見るようになっていた。

ある日、カールの元にユウという日本人女性が訪ねて来る。ユウは10年前に東京を訪れたカールの父親ルディと親交があり、ルディの墓と生前の家を見に来たのだと言う。渋々付き合いながらも、次第にユウに惹かれて行くカールは、今度はユウの祖母に会うため、日本へ向かう…。

樹木希林が遺作で、“いま”を生きる人に伝えたかったこと

ドイツと日本を舞台に、生きることの美しさと残酷さを描いたヒューマンドラマ『命みじかし、恋せよ乙女』。主人公のカールが日本で出会う旅館の老女将役を、2018年9月に死去した女優・樹木希林さんが演じています。本作は樹木さんにとって初の海外進出作品にして、最後の出演作となりました。

樹木希林が遺作で、“いま”を生きる人に伝えたかったこと

日本パートの撮影が行われたのは、2018年7月。樹木希林さんが亡くなる2ヵ月前のことでした。

撮影場所となった神奈川県茅ヶ崎市にある“茅ヶ崎館”は、国から有形文化財にも指定されている由緒ある旅館。是枝裕和監督が脚本執筆のために、そして1950年代には小津安二郎監督が、やはり脚本を書くために篭った宿として知られています。


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