二宮和也が主演を務め、多部未華子が共演する日曜劇場『マイファミリー』(TBS系/毎週日曜21時)。二宮と多部が演じる、誘拐された娘を取り返すための唯一の方法として警察を排除することを決意した夫婦が、たった2人で娘を取り返すべく戦っていくという“ノンストップファミリーエンターテインメント”だ。
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『グランメゾン東京』(2019年)、『TOKYO MER~走る緊急救命室~』(2021年)などを手掛けた黒岩勉のオリジナル脚本で、“家族の絆”を描いていく本作。飯田Pは「コロナ禍で大切な人に会いたい時に会えないようになり、自分は本当に何が大切なのかを感じる機会が否が応でもできている状況。そこで改めて大事に感じることを、このドラマを通して再確認し、行動を起こすために背中をちょっと押せるようなエンターテインメントになればという思いがあって」と作品の意図を口にし、「見て面白かったと思ってもらえるのは前提で、その奥に温かい気持ちが生まれたら」と爽やかな笑みを浮かべながら語る。
娘を誘拐されたことで引き起こされる、オンラインゲーム会社のCEO・鳴沢温人(二宮)とその妻・未知留(多部)の関係性の変化が描かれるが、「最終話までを通してどうなっていくのか、そこは“ノンストップファミリーエンターテインメント”たるところ」と説明。
1話では、誘拐犯や警察をはじめ、登場人物とのやり取りの中で、温人と未知留の距離感が繊細に紡がれていたが、飯田Pは「二宮さん、多部さんは、“夫婦の関係性の変化”を全話を通して計算されていて。2人が丁寧に作ってくれて、台本で読み取れること以上のものが温人と未知留の空気感や距離感に表れています」と絶賛し、「それは二宮さんと多部さんの演技力や関係値だからこそできるもの」と感謝する。
温人と未知留は大学の時に出会って20年くらい経っている設定だが、二宮と多部も15年前に放送された金曜ドラマ『山田太郎ものがたり』(TBS系・2007年放送)で共演経験がある。飯田Pは、「二宮さんと多部さんが経過した時間が、温人と未知留にリンクするところもあると思います。時間を経た2人の息の合わせ方や、それぞれの仕事や人生で経験したことが上手く化学反応しているのかも。何億も稼ぐ社長と妻って、意外と奥さんの方が上だったりする。
また、飯田Pは、現場で感じた二宮と多部の役者としての魅力についても言及。「二宮さんは現場で、『“他のキャラクターがあっての自分”をすごく大事にしている』とおっしゃっていて。“相手がこうきたら、このキャラクターならこう返す”という、柔軟性という簡単な言葉ではなく、うまく言い表せないのですが、まさにそこに温人としている感じなんです」と表現。「俳優さんによっては役をすごく組み立てる方と憑依する方がいますが、それのどちらにも属さない感じがしますね」としみじみ。
劇中では印象的な演技が多いそうで、「特に1話終盤の娘への感情を出すシーンでの、本当は涙が出そうだけど堪えてる感じの表情は、子供に対する気持ちと妻に対する配慮などいろんなものが滲み出ていて、すごく好きです」と心を掴まれたと言い、「側にいると、さまざまな魅力をひしひし感じます」と絶賛する。
一方、多部のことは「声に表情がすごく出る女優さん。映像を見なくても、声を聞くだけで表情が見えてくる。繊細な声の使い方がステキだなと思います」と賛辞の言葉を贈り、「近しい温人に対して感情を露わにするシーンとかは演じやすいと思いますが、1話での賀来賢人くんや濱田岳くん演じる久しぶりにあった学生時代の友人たちに本当のことを伏せながらお願いごとをするシーンは、いろんな感情を表現しないといけないので難しいと思います。
本作には2人のほかに、賀来、濱田、高橋メアリージュン、松本幸四郎、富澤たけし(サンドウィッチマン)、玉木宏ら豪華役者陣が集結。1話の中でもそれぞれが大きな存在感を示していたが、飯田Pは「主役級の方々が出演してくださっていますが、それぞれのキャラクターのストーリーもしっかり構築されていて、それが今後、絡み合っていくのも見どころです」と自信を覗かせた。
さらに、そんな豪華キャストが居合わせる現場について聞くと、「笑い声が聞こえてきます」とはにかみ、「濱田くんが、『同世代の方々が集まり、そこでドラマを作れるのが楽しい』とおっしゃっていましたが、まさにそう感じて。二宮さんは、緊迫している内容の作品だからこそ、合間の空気感はすごく大事にされてるそうで。二宮さんを筆頭に、現場はいい空気感がありますね」と笑顔で打ち明ける。
「子供の未来のために頑張る大人たちの物語です。誘拐事件となると、どうしてもサスペンスやミステリーに引っ張られがちですが、1話を見たら印象が変わると思うので、まずはとにかく1話を見てほしい。大切な人を感じられるはずです」と熱く語った飯田P。息をのむシーンや心を揺さぶられるシーンの連続で、まるで1本の映画を見ているようだった第1話。1話を見たら、飯田Pが推す“ノンストップファミリーエンターテインメント”という言葉の意味が分かるはずだ。
日曜劇場『マイファミリー』は、TBS系にて4月10日より毎週日曜21時放送(初回25分拡大)。