Snow Manとしてアーティスト活動をする傍ら、今期は連続テレビ小説『舞いあがれ!』(NHK総合/毎週月~土曜8時ほか)、病気で聴力を失った青年の演技が話題を集めている『silent』(フジテレビ系/毎週木曜22時)の出演など、俳優としても目覚ましい活躍を見せる目黒蓮。12月2日に公開される映画『月の満ち欠け』では、グループから離れて単独での映画初出演を果たす。
【写真】Snow Man・目黒蓮、20歳と39歳を演じ分ける 大泉洋×有村架純×目黒蓮×柴咲コウ『月の満ち欠け』場面カット
■大泉洋や有村架純ら共演者に感謝「芝居や現場での居方を学ばせてもらった」
映画『月の満ち欠け』は、2017年に第157回直木賞を受賞し、累計発行部数56万部を超える著者・佐藤正午のベストセラー小説が原作。「もう一度あなたに逢いたい」という強い想いを抱える女性が、時間も空間も超えて巻き起こす数奇で壮大な愛の物語を描く。愛する妻と娘の瑠璃を不慮の事故で亡くして人生が一変する主人公・小山内堅役の大泉洋、妻・梢役の柴咲コウ、小山内の娘と同じ名を持ち、物語の鍵を握る謎めいた女性、正木瑠璃役の有村架純ほか、田中圭、伊藤沙莉と実力派キャストが集結。目黒は、正木瑠璃(有村)と許されざる恋に落ちる大学生の三角哲彦を演じる。
今作で個人での映画初出演を果たすが、オファーを聞いた時の心境を問うと、「本当にビックリしました」と口にしつつ、「もちろんプレッシャーはなくはなかったと思いますが、それより共演者の皆さんからいろいろ学びたいという気持ちの方が圧倒的に大きくて。ワクワクが大きかったです」と当時を回顧。また、「現場には『たくさん勉強をさせてもらいに行く』というスタンスで臨んでいて、すごく有意義で貴重な時間でした。大泉さんや有村さんから芝居や現場での居方を学ばせてもらいました」と真っすぐな目で振り返る。
共演した主演の大泉については、「現場では、細かい部分一つ一つにちゃんと意味を持たせるよう、監督とひんぱんに話されている姿を拝見して。これが主演の方の現場でのあり方の一つなんだなぁと感じました」と尊敬の念を表した。共演シーンの多かった有村については、「僕は現場では役に向き合い感情を整理したいタイプなので1人でいることが多かったのですが、おそらく有村さんもそういう感じの方なのかなと思いました」と言い、「途中、『短い期間だけど、信頼関係を築かないといけないので、役を通してそこをしっかりできればいいなと思っています』と声をかけていただいて。
■一途に一人の女性を思い続ける役に共感「三角のような恋はしてみたい」
三角は、正木瑠璃(有村)を一途に愛し続ける青年。そんな三角に対して「自分とリンクする部分がたくさんあって、運命を感じました。特に20歳ぐらいのときの自分とすごくリンクした感じがしました」と振り返る。
「普段生活していて『じゃあね』と言って別れてそこから一生会えないなんて思わない。人と会っている時、もしかしたら今の時間が最後の可能性もゼロではないと考えたら、『じゃあね』の意味も変わりますよね。自分はそういうことを考えることが多いので、改めて三角のその価値観を、考えさせられました」という目黒。「(三角が)瑠璃さんに出会って真っすぐにアタックするところなど、ちょっとした性格に共感しました」と明かした。
1人の女性を思い続ける三角の生き方はロマンチックな一方、しんどいこともあるのでは?と質問すると、目黒は迷いなく「僕はすごくすてきだなと思いました。三角の一途な感じはかっこいいし、好きです。三角のような恋はしてみたいですね。だって、ホイホイ好きな人が変わる人は嫌じゃないですか? これぐらいずっと相手を想っていられる人でいたいです」と言う。
■撮影期間はずっと号泣「気持ちをコロっと切り替えられるほど器用じゃない」
三角を演じるにあたり、監督から言われた「気持ちだけを持ってきてくれればいい。それを繋げるのが俺らの仕事だから」という言葉が印象的だったという目黒。「今回の役はすごく感情移入してしまい、演じているとすごく心が疲れてしまって。なので、監督の言葉を受け、1つ1つの気持ちをちゃんと現場に持っていって整理することをコツコツ積み重ね、演じていました」と振り返る。
また「撮影期間はずっと泣いていました」とも明かす。「僕は“よーい、スタート”と言われた瞬間、気持ちをコロっと切り替えられるほど器用じゃない。感情を揺さぶられるシーンの時は、前の日の夜から気持ちを整理して、当日も朝からその気持ちでいかないと演じられないタイプなので、泣きながら現場に行き、現場でも周りの皆さんにバレないようにマネージャーさんの後ろで普通に泣いて気持ちを整理してました。1つのことしかできない自分の性格にすごいがっかりします」と苦笑いする。
■同じタイミングで試写を観たラウールが号泣「それを見てもらい泣きしました」
三角という役に真っすぐに挑んでいた目黒。本作の撮影と並行してSnow Manのメンバーとしてバラエティ出演や音楽活動なども行っていたが、その際は「三角のことを、頭のどこかで考えていました」と回顧。そんな目黒にとってSnow Manのメンバーの支えは大きかったそうで、「グループの仕事中、みんなが笑わせてくれるので、それですごく幸せな気持ちになってました。
自身が本作の試写を観に行った際、ラウールも一緒だったそうで、「ラウールは終わって周りが明るくなってるのに立てないぐらい号泣していて、自分はそれを見てもらい泣きしました。ラウールはその後も会話できないぐらいに泣いていて、スタッフさんにティッシュを持って来てもらっていて…。それはすごくうれしかったです」と優しい表情に。Snow Manのメンバーで一番泣きそうなメンバーを問うと「ラウール」と答え、「自分に価値観が似てるところがあるなって感じていて。僕自身、この作品の台本を読ませてもらった時、絶対にラウールも『うわっ』と感じるんだろうなと思っていたので、試写でラウールの反応を見たときはうれしかったです」とほほ笑みながら明かしていた。
■「自分は本当に恵まれている」さまざまな出会いに感謝
三角は瑠璃と運命の出会いを果たすが、目黒にとって人生で運命を感じた出会いを尋ねると、「大きく言ったら本当にすべての出会いがそうで、一つでも欠けていたら今の自分はないです」ときっぱり。「僕自身、出会いで人生が変わりました。それがなければ自分は今デビューしてないと思える出会いもたくさんあって、そういう出会いを経験した上で“出会い”は大事だと思います」と話す。
役者としての出会いも同じだそうで、「毎回の撮影現場がそうで、自分は本当に恵まれているなと感じます。皆さん、愛を持っていろんなことを教えてくださる。
また「難しい」と語る芝居に対して「今、熱くなってると思います」とも言う。「『相手がこういう顔をするんだったら、自分はこういう風にやってみよう』など、細かいいろんなことに挑戦できていて、それがすごく楽しくなっていて。またいろいろな役をやることによって、自分の人生の中でできないことを体験できるのは面白く、そういうところに楽しさを見出してます。今はとにかく気持ちでやっているので、見てる人に気持ちがちゃんと届けられる芝居をしたい。作品を見て『明日もちょっと頑張ろう』などと、思ってもらえるような役者になりたいです」。
この作品の手応えを問うと、「あの時の自分に出せる全力を尽くしたので、あとは見てもらうだけ」と力強い目で語る目黒。持ち前の真っすぐさと真面目さで “俳優・目黒蓮”として躍進し、これからもより多くの人を魅了するに違いない。(取材・文/高山美穂)
映画『月の満ち欠け』は、12月2日より公開。