映画『退屈なエンドロール』より、主演の奥山かずさをはじめ、野呂佳代、山口大地ら主要キャストの「退屈」な表情を切り取ったメインビジュアルが、場面写真と共に解禁された。
【写真】奥山かずさ、野呂佳代ら出演 映画『退屈なエンドロール』場面写真
本作は、堤幸彦監督の映画『イニシエーション・ラブ』の脚本をはじめ、誉田哲也原作のドラマ『アクトレス』、スーパー戦隊シリーズの脚本を手がけ、自ら劇団マカリスターも主宰する井上テテの映画監督デビュー作。
映画のエンドロールを「退屈」そうに見ている女。「退屈」な授業を抜け出し、映画館へと入っていく高校生男女二人組。タコスショップで「退屈」そうにタコスを食べるサラリーマン。タコスショップと映画館、二つの場所で起こるある日の出来事。「退屈」の先にあるものはさらなる「退屈」か、それとも…。
今回初監督となる井上テテより、本作に対するあいさつ文が到着。また、堤幸彦監督をはじめとする各界の著名人からのコメントも到着した。
井上テテコメント
こんにちは。脚本・監督の井上テテです。
「この映画の見方がわからない」と誰かに言われたらしく、なんか書いてくれと言われてこれを書いてます。
「映画の見方」ってなんだ?と思いつつ、ともかくそういう感想をいただくような作品ではあるわけで、今回映画を監督するというありがたい機会をいただいたので、初めて映画を監督する人間が、映画に対して真摯に向き合い、ただただ自分が映像に残したいものを撮ったものでして、老後になってこの作品を見返した時に、後悔しないものを撮りました。
今まで脚本の仕事をしながら、何度も脚本の書き方を教え込まれてきたわけですが、そうすると人の作品を見てると色んな作品がいわゆる「型」にとらわれているようにしか見えなくなり、その途端にしらけてしまい、まだそんな「型」もできてない頃の映画なんか見てると退屈だけれど引き込まれたりするわけで、そうなってくると映画やドラマの正解ってなんなんだろうとも思いつつ、そんなモヤモヤが生んだ作品と言った感じです。
この映画に面白みを感じてくれる方もいるかもしれないし、ただただ退屈と感じるかもしれないし、それは見る方がどう感じるかだと思います。
決して突き放してるわけでもなく、どこかにいる「そうそう、こういうのが見たかったんだよ!」という人のために作りました。
どういう感想になるかはわかりませんが、気に入ってもらえたら嬉しく思います。
小説家・誉田哲也コメント
ひねくれた奴だな。
面白いと言われるカテゴリーから離れ、面白くなるとされる手法を排除していったら、一体何が出来上がるのか。
そりゃ、考えるのは自由だけど、実際にはやらんだろう、誰も。
なに、やっちゃったの? 撮っちゃったの? なんで本当に撮っちゃうんだよ……しょうがねえな。観るよ。観るしかねえだろ。
映画監督・堤幸彦コメント
大好きな作家・井上テテさんの新作。
それはなんと「映画業界の私達にとっては普遍的テーマの会話劇」なのだった!
「つまらん映画は詐欺罪!」あいたたたー!!
私達の人生の「死角」を軽妙洒脱に描くのはどきどきするからやめてほしい…と思いながらもラストの名曲までイッキ見してしまうすごい構造の作品。
恐れ入りました!テテさん!
映画ソムリエ・東紗友美コメント
いつでも戦闘服を着た状態が求められる現代社会
強い心を持つことが美学とされるけれど
傷ついた自分を受容できるようになれました
エンドロールのあと
私の明日がしずかに動き出す
やっぱり映画は人と人を繋ぐ接着剤
私がこんなにも映画を愛する理由を
また一つ確かに思いだした時間です
映画『退屈なエンドロール』は、10月20日より全国順次公開。