累計発行部数1000万部を突破、舞台・ゲーム化もされ、アニメもシーズン2まで放送された、にいさとるの人気漫画『WIND BREAKER』が実写映画化。“不良=街の英雄”というこれまでの不良漫画の常識を覆す設定が斬新な本作では、街を守る風鈴高校の生徒、通称“防風鈴”が躍動。
【写真】“防風鈴”キャスト・水上恒司×木戸大聖×綱啓永×JUNONが集結! 撮り下ろしソロカット
■綱啓永「よりキャラクターの細かい感情の動きが表現されているのが実写の魅力」
街の外から風鈴高校にやってきたケンカだけが取り柄の孤独な高校1年生・桜遥(水上)は、同校の生徒が“防風鈴=ウィンドブレイカー”と呼ばれ、街を守る存在として住民たちから頼りにされていることを知る。桜は戸惑いながらも防風鈴のメンバーとして、仲間と共に奮闘。ケンカに弱いが桜の初めての友人となる同学年の楡井秋彦(木戸)、仲間想いの一面を持つ蘇枋隼飛(綱)、長身を生かしたパワーで他を圧倒する杉下京太郎(JUNON)、3年生で防風鈴の四天王の一人・柊登馬(中沢元紀)、総代の梅宮一(上杉柊平)らとともに、敵対チームの“獅子頭連”との戦いや、桜や仲間たちの変化が描かれる。
原作ファンだったという綱は本作の魅力について、「やっぱり、キャラクターの個性がはっきりしているところです。それぞれのキャラクターが魅力を持っていて、一緒にいてもバランスがいいんです。防風鈴の桜、楡井、蘇枋、杉下、柊、梅宮の6人、獅子頭連の兎耳山丁子(山下幸輝)、十亀条(濱尾ノリタカ)の2人のバランスがすごくステキ。実写ではよりキャラクターの細かい感情の動きが表現されているので、それが実写の魅力だなと思っています」と語る。
そんな個性豊かなキャラクターを実写化するにあたり、スタッフ陣は原作を踏襲しつつもコスプレにならないことを重視し、キャラクターと俳優陣のケミストリーを目指しキャスティングを行った。本作で桜役の水上は、オッドアイのカラコンを装着し、桜の白黒のヘアスタイルに合わせて地毛を半分、1週間に1度ブリーチして染め上げ撮影に臨んだ。
「衣装合わせの時点では、僕も髪の毛をまだ染める前だったので、これがどれぐらいなじんでいくのか不安ではありました。
眼帯や中華風のピアス、赤みのある髪色が特徴的な蘇枋のこだわりは、「バランス」だったという綱。「違和感がないように僕の顔に合う髪色を探って赤みを控えめにして、眼帯も大きさ、形までこだわりました。ピアスも長さはこれがベストというものを選んでいただきました」と手ごたえを口にする。ただ、アクションシーンが多い本作で眼帯をつけたままで動くことには難しさもあったようで、「目の焦点が対象物に合わないんです。手を伸ばしても物をつかむのが難しくて…。なので、アクションの時は少し穴が開いている眼帯を使って、安全面も配慮しました」と明かした。
■JUNON、初の映画撮影は「アーティスト活動にも通じるところがあり学べてよかった」
木戸が演じた楡井は、水上いわく「この4人のなかで1番ベーシック」だという。
JUNONが演じる杉下は長髪がトレードマーク。自身でもこれほど長髪にしたことはなかったそうで、「ウィッグを最初につけた時はびっくりしましたね。僕はよく妹と似ていると言われるんですけど、鏡で見たら“妹”そのものでした(笑)。なので、ちょっと既視感はありました」と明かした。
そんなJUNONは本作で俳優デビュー。BE:FIRSTとして音楽のフィールドで活躍してきたJUNONも映画出演前から原作を読んでおり、本作への出演について「お話をいただいた時はとても驚きましたが、素直にうれしかったです」と喜びを口にしている。初挑戦の俳優業については「映像作品を見ることは好きなので、芝居に対する興味はありました」と明かし、「自分が演技に挑戦することでアーティストとしても、表現力の部分でいろいろと得られるものがあるんじゃないかと思っていたんです。なので、撮影はすごく楽しみでした」と笑顔を見せた。
日ごろミュージックビデオなどの撮影も行うJUNONだが、映画撮影は「本当にいろいろな角度から何カットも撮ることや何回も同じ演技をすることの難しさや大変さを知って、集中力がすごく必要だなと思いました」と振り返る。その上で「どんな角度から撮られても違和感なくみせることの大事さは、アーティスト活動にも通じるところだと思うので、学べてよかったなと思います」と充実感をにじませていた。
本作の撮影は全編沖縄ロケで行われ、キャストたちがさまざまなアクションに挑戦。木戸は、特にアクションシーンが多かった“桜”水上のある姿を目撃したという。「恒司の撮影日にスタッフさんのいるホテルに行ったら、恒司がロビーでうつ伏せになって、一見、倒れているかのような姿でいたところを見てしまったんです。すごく暑い日だったし、アクションでの体への負担もあるので、『えっ!』と思って心配したんですが、アクションに備えてマッサージをしていただけでした(苦笑)。僕が見た瞬間はマッサージをしてなかったので、一瞬、焦りました(笑)」。それを聞いた水上は、「(マッサージが)効くんですよね」と、大きな“指”で支えてくれたスタッフのサポートに感謝していた。
アクションシーンのなかでも見どころといえるのが、風速25m/s超の爆風を吹かせたというウィンド・アクション。JUNONは「普通に生活していてもあれだけ風が強い日はないってくらい、歩くのにも影響がでるくらいの強さでした」と振り返り、「(杉下役のウィッグの)生え際が見えてしまわないかと、すごく心配でした。髪の毛の影響で撮り直したりもしました」と撮影の苦労を明かす。
そんな並々ならぬ撮影の合間に、キャスト陣は沖縄ならではの場所も訪れることができたそう。
■水上恒司が感じた“桜”の愛おしさ 木戸大聖が明かす“楡井メモ”の秘密
『ハケンアニメ!』(2022)で日本アカデミー賞優秀脚本賞を受賞した政池洋佑、みずみずしい青春劇を描き出す『ブルーピリオド』(2024)の萩原健太郎監督がタッグを組んだ本作では、“圧倒的な熱量”を持つ不良映画を目指したという。本作では、醍醐味ともいえるアクションはもちろん、高校生たちの一人一人の心の動きも丁寧に描かれ、観る人の心を揺さぶる。
水上演じる主人公の桜は、これまで厄介者扱いされてきた過去があり、不良が街のヒーローとして受け入れられていることだけでなく、自分が仲間として人とつながることにも戸惑いがあった。仲間たちとの関わり合いのなかで、少しずつ自分と向き合っていく桜。水上はそんな桜に対し、「人ってそんなに簡単に変わらない」ということに共感したという。
「この作品を通して、僕は桜が素直になり始めるまでの塩梅を模索していました。一般的な観点から見ると、桜はやっぱりそんなに素直になっていないと思うんです。だからこそ、桜に対して、防風鈴や(八木莉可子が演じるヒロインの)ことは、街のみんなから、温かな笑いが起こるんですよね。桜の素直じゃないところは、僕も簡単に自分を変える柔軟性がないからこそ、愛おしく思えたりします」。
桜とは対照的に、木戸が演じた楡井は自身の好奇心や憧れが全面に出た素直なキャラクター。
キャストたちが魅力的なキャラクターとなって躍動する本作が、いよいよ公開。完成を観た木戸は、「防風鈴と獅子頭連が最初は正義と悪のように描かれますが、登場人物一人一人のバックボーンや戦う意味、守る意味というものがしっかりとあって、最終的には防風鈴だけでなく、獅子頭連側の気持ちもわかったりするんです」と見どころを語る。
水上は「これまでは、血生臭い不良映画に魅了されてきたと思うんです。そうしたものと比べると、この作品はギャップがあると思いますが、キャスト、スタッフ全員の総力が結晶となって、この令和の時代におけるメッセージというところも含めて、新たな不良映画になったんじゃないかなと思います」と自信をのぞかせた。
(取材・文:齊藤恵 写真:高野広美)
映画『WIND BREAKER/ウィンドブレイカー』は、12月5日より公開。
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