「お笑いとは悪魔的」北野武監督と三浦友和が驚愕した「アウトレイジ ビヨンド」に忍び込む笑い
高橋克典といえば、浮かんでくるイメージは? やっぱりエロエロな「特命係長・只野仁」だろうか。
でも、私にとってはある時点から完全に「鼻毛の人」になってしまった。というと、いろいろ語弊があるだろう。なにしろ、高橋克典本人の鼻から鼻毛が出ているところなんて一度も見たことがない。
「鼻毛」イメージがついたのは、あるドッキリ番組からだ。
企画はごくシンプルに「ヘアメイクさんの鼻毛がチラチラ見えている」というだけのもの。でも、それがドッキリと知らない高橋克典は、ついニヤけてしまうのをこらえるのに必死だった。
さらにおかしかったのは、ヘアメイクさんが目の前からいなくなった後も、高橋克典の表情をカメラがずっと追い続けていたことだ。
鼻毛のメイクさんの姿はないのに、その日、高橋克典はことあるごとに、何度も何度も反芻するように思い出し笑いをしていた。すごく幸せそうな笑顔だが、彼の頭の中にあったのは、明らかに「鼻毛」なのである。
「ヘアメイクさんの鼻毛」だけであれだけ何度も楽しくなれるなんて、なんてハッピーな人なんだろう。
以来、もともと「セクシー路線の俳優」というイメージであまり興味がなかった高橋克典のことが、急に気になる存在になってきてしまった。
そういえば、6月16日放送分「チューボーですよ!」に登場した際には、子どもをマザー牧場に連れて行ったり、一緒に仮面ライダーごっこをしているという話を、「鼻毛」の思いだし笑いと同じようなテンションで嬉しそうにしていた。
また、名前の字が「高橋克実」と似ていることから間違われることが多く、自分自身も間違えて高橋克実の楽屋に入ってしまったことがあるなどという話も飛び出した。終始楽しそうだ。
実は「サラリーマン金太郎」がヒットした頃、仕事をとったら何も残らない自分に嫌気がさし、仕事をやめようと思ったという話もときどきインタビューなどで聞くことがあり、それなりに悩みもあったりするらしい。
でも……きっとどんな困難な状況も、辛いときも、ふとした「笑い」が勝ってしまいそうな高橋克典の「ハッピー力」。少し分けてほしいもんです。(文:田幸和歌子)