今最も注目されている若手俳優の一人、染谷将太が21日発売の月刊「FtoF」でロングインタビューを決行し、合理的でスタイリッシュな今どきの若者らしくない、生真面目である種オールドスタイルともいえる役者魂をのぞかせた。

園子温監督×染谷将太「ヒミズ」コンビが人気漫画ドラマ化で再びタッグ!

 昨年1年間での映画出演作は実に10本。
今年もすでに10本近くの出演が決まっている染谷は、これまでの役者活動を振り返り、「楽しいばっかりですね(笑)」と、笑顔を見せる。

 先に子役として活動を開始していた同級生に誘われ、最初はただ「映像に興味があったから」という理由で9歳の時にスクリーンデビュー。そんな彼が20歳を迎えた今、その心は決意と情熱に満ち溢れている。

 今年頭からは、蜷川幸雄演出「祈りと怪物~ウィルヴィルの三姉妹・蜷川バージョン」で舞台に初挑戦。死に物狂いでがんばっていると言いながらも、その瞳はキラキラと輝いており、「毎日が初めてのことばかりで楽しいです。蜷川さんは役者の見せ場を作ってくださる方で、こういうフィールドを与えるから何か面白いことをしてっていう感じです。それがつまらないといろいろ指導してくださって…」。

 コンスタントにオファーを受け続ける染谷の意欲を掻き立てているのは、根本にある“映画好き”にあるようだ。「幅広く映画を観るようになってから、映画というものがすごく好きになって、運よく役者をやっているし、このまま続けたいと思ったんです。それまでは楽しくてなんとなくやっていましたけど、今では責任を持ってやっているつもりです」と、意気込みを新たにしている染谷が出演する最新作、3月2日(土)公開の映画「すーちゃん まいちゃん さわ子さん」は、バラバラな年代の女性3人の日常を時に鋭く時に優しく、心の機微を見せながら温かいタッチで描いた益田ミリの同名4コマ漫画の映像化。

 主演の柴咲コウ演じる“すーちゃん”が働くカフェのアルバイト店員・千葉役に抜擢された染谷は、「(今回の作品で)監督に言われたことは『千葉くんがいることで職場に良い風が流れるような存在になってほしい』ということだけでした。そこに重きを置きましたが、あとは純粋に、ピュアに、屈託のない感じで演じようと思いました」と、撮影を振り返る。
様々な役どころを演じ分ける彼の、新たな一面が垣間見える作品ともいえるだろう。

 本誌では、本年度「アカデミー賞新人賞」を受賞した染谷がこれまでの出演作品の中から7作を選び、本人自らが各作品の見どころを紹介するほか、「すーちゃん まいちゃん さわ子さん」のプロデューサーの目線から見た、彼の俳優としての魅力などを掲載。インタビュー撮影前日の大雪が残っているにも関わらず、終始笑顔で雪だるまに身を寄せて楽しんでロケに挑んだという染谷の若々しい素顔を、俳優・大杉漣の息子でもある写真家・大杉隼平が全8ページで撮り下ろした。

 雑誌「FtoF」は、2月21日(木)発売(発行・発売 ガム出版株式会社)
編集部おすすめ