新作映画『サンゴレンジャー』で、沖縄・石垣島の青い海と自然を愛する小学校教師を演じているのが、女優の佐々木希だ。2008年の映画『ハンサム★スーツ』でスクリーンデビューし、翌年の映画『天使の恋』で映画初主演を飾った佐々木の女優としてのキャリアは、今年で5年目に突入する。


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 女優業をスタートさせたときは「怖い思いが強くて、現場に行きたくなかった」という佐々木だが、今では「毎日が楽しくて、キラキラしている」とその思考は180度変化している。そんな現在の境地に至った理由とは何だろうか?単独インタビューを行った。

 「最初の頃は映画がどのように作られていて、誰が何の仕事をしているかよくわかりませんでした。演じる事よりもまず、映画製作のシステムを覚える作業をしていました」と女優として踏み出した5年前に思いをはせる。秋田県の一ショップ店員からモデルとして見出され、瞬く間に大ブレイク。モデルとしてだけではなく、タレントとしてテレビやCMに引っ張りだこになった。
そんな中でのスクリーンデビュー。そして『天使の恋』でいきなりの主演抜擢となった。

 「普通であれば主演を喜ぶと思いますが、それ以上に主演に対しての恐怖が勝っていました。お芝居に関しても『演技って何?』という感じでしたし、とにかく現場に行って、目の前のことをこなすだけで精一杯でしたね」と当時の戸惑いを明かす。ただでさえ忙しい日々。「睡眠時間も少なくて、精神的にも凄く疲れていたと思います。
毎日いろいろなお仕事をさせてもらえる嬉しい状況の一方で、心に余裕がなくなっていきました」と苦笑する。 そんな中で出会ったのが、2012年の映画『ぱいかじ南海作戦』。沖縄・西表島での地方ロケということもあり、撮影後はほかの俳優たちと一緒に食事をし、仕事について語り合った。そこで佐々木は「俳優業の面白さや、皆さんの一生懸命さを目の当たりにして、中途半端な気持ちでは失礼になってしまう」と女優業に打ち込むことを決意した。やるべきことを一つに絞ったことで「気持ちが楽になって余裕も生まれました。忙しさは変わらないけれど、楽しさがまず先にあるから、全然苦にならなくなりました。
肉体的に疲れていたとしても、精神面では充実しています。」と日々を満喫している。

 「一つのことをやるためには、他のものを犠牲にするくらいの気持ちでいないとダメ」と言い切る。そこにあるのは佐々木の女優業に対する本気度だろう。『サンゴレンジャー』では名脇役の故・夏八木勲さんとも共演。「立っていらっしゃるだけでオーラがあって、存在感が凄い。それなのに、ご挨拶した時はとても優しそうだと感じました。」と名優の立ち居振る舞いに憧れと羨望の眼差し。
撮影自体も「凄く楽しかったですね。沖縄は改めて人が優しいと思いましたし、ご飯も美味しい。東京にいることが多いから、沖縄の自然や青い海に癒されました」とすっかりお気に入りだ。

 最近では映画主演への興味も再燃。「不安はあります。でもやりたい」と凛とした表情を浮かべながら「映画初主演の『天使の恋』は映像も綺麗ですし、ストーリーも好き。
でも20歳の頃の自分は主演というありがたみを理解していなかった。だからあの頃に戻ってもう一度主演をやり直したいですね」と自らの成長を確信しているようだった。

 『サンゴレンジャー』は沖縄・石垣島を舞台に、サンゴ礁を守るために立ち上がった環境庁につとめる自然保護官(レンジャー)たちの姿を描いた青春エンターテインメント。佐々木は石垣島で小学校教師をしているリサ役を好演。環境省・自然保護官の矢島(青柳翔)&岸谷(田中圭)と共に、美しいサンゴ礁を破壊する橋の建設計画阻止のために奮闘する。

 映画『サンゴレンジャー』は6月8日より沖縄・スターシアターズ先行公開、6月15日より東京・渋谷HUMAXシネマ・お台場シネマメディアージュほかにて公開