『アルプスの少女ハイジ』を使ったCMでおなじみの「家庭教師のトライ」がこの夏、全く異なる世界観のCMを世に放った。様々な場所で様々な人がダンスを踊るこのCM、テイラー・スウィフトの名曲「Shake It Off」のインパクトとともに、気になっている人は多いはずだ。
このように毎回注目を集めるCMはどのように生まれるのか? 同社宣伝部の物部晃之氏に話を聞いた。

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 「今回のCMは弊社の新サービス『Try IT』をご案内するものです。『Try IT』は、永久0円で全ての子どもたちに映像授業を提供するというもの。特に、わからないところがあった時に、『スマホを振ると、質問がとぶ!』という機能が特徴です。この“振る”=“シェイク”ということで、『Shake It Off』を使うアイデアが生まれました。テイラー・スウィフトさんの楽曲が日本のCMで使われるのは、今回が初めてだそうです」。

 CMでは、このテイラー・スウィフトの曲にあわせたリズミカルなダンスが今までの「ハイジCM」とは異彩を放つ。一方で、そのダンスシーンに「ハイジ」も登場することが肝になっている。「アルプスで踊るハイジたちを見て、『あ、これトライのCMか』と認識いただくことは多いみたいです。今回のサービスは、国内はもとより、親御さんの転勤で海外にお住まいの方も含め、世界中のお子様にご利用いただきたいもの。それもあって、CMではニューヨーク、バンコク、そしてアルプスでも(笑)と、世界中で『Try IT』を利用するシーンを入れています」。

 ダンスシーンは13パターン。
場所も人も多岐に渡るだけに苦労も多かったという。「今回、550人以上の方に出演いただきました。あの曲でリズムをとって踊るのはかなりの技量がいるみたいなんです。CMでは数秒ずつだけですが、実際には全てのシーンで50秒間踊っていますので、どの部分をつなぐとより魅力的なのか、その作業は大変でした。それとやっぱり、ハイジたちのダンスシーン! 今までのCMは過去のアニメ作品の原画がベースでしたが、今回はゼロから描き起こしています。3年以上ハイジをCMに起用してきた関係性があったからこそ、お願いできたことだと思います」。 トライの「ハイジ」CMは、好感度調査で常に上位にランクされる人気シリーズ。話題を呼ぶCMを生み出し続ける秘訣はどこにあるのだろうか?「毎回、『次はハイジ、何を言うんだ?』という期待もいただいていますので、それに応えたい思いはあります。でも、それ以上に重視しているのが、お客様の悩みは何か? という視点です。私たちは、サービスや勉強そのものに対するお問い合わせを、毎年何万件といただいています。その資料を1枚1枚めくり、『この時期のお客様はこんな悩みを抱えているんだ』という、いわゆる“顧客のインサイト”に対する回答になるものを提供していこうと常に意識しています。その結果として、お客様に共感いただけているのではないでしょうか」。


 今回の『Try IT』は中学生用のサービスとしてスタートしたが、当初から大人の利用も想定していたとのこと。「子供たちだけでなく、英語や歴史など大人の方にも是非使ってほしいという思いから、サラリーマンや主婦など大人のダンスシーンを多く入れています。」実際にCMを見て『Try IT』をやってみようという方はお子様だけでなく大人の利用も大変多いとのこと。「勉強というのは一生のテーマですから、これからも様々な人に共感いただけるサービスとCMを作っていきたいと思います」。(取材・文・写真:オグマナオト)
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