元乃木坂46の深川麻衣が、映画初出演にして初主演を飾った『パンとバスと2度目のハツコイ』。独自の結婚観を持つ恋愛こじらせ女子の“モヤキュン”ラブストーリーを描く恋愛群像劇だ。
今回は、深川が本作の見どころや、自身の恋愛観について語ったほか、ファンの間で“まいまい”のニックネームで親しまれる“聖母”のイメージを「いい意味で覆したいです」と脱却に意欲を見せた。

【写真】深川麻衣『パンとバスと2度目のハツコイ』インタビューカット

 深川が演じる主人公・市井ふみは、パン屋で働く女の子。ある日、中学時代の初恋相手・湯浅たもつ(山下健二郎)に再会し、気持ちが揺れ動いていく。深川は「今泉力哉監督ワールドが、さく裂しています。観る方によって印象に残るシーンや誰に共感するか変わると思います。あとは二人の絶妙な距離感にモヤモヤ、キュンキュンしつつ楽しんでほしいですし、恋愛が苦手な方の背中を押すような映画になったらうれしいです」と笑顔を見せる。


 山下との共演シーンで印象深かったのは「静岡県の大室山に行って、二人で叫ぶシーン」。「初めてお互いに気持ちをぶつける場面です。ふみはそんなに喜怒哀楽の激しい女の子ではないですけれど、あの場ではド直球に気持ちをぶつけます。最初は遠慮してしまった部分があり、何回も撮り直して苦労しました」。

 かつて絵を描いていたふみと同じく、深川は中学、高校で美術部に所属し、インスタグラムでも絵心あふれるイラストを紹介している。「撮影前にお話したことを監督がけっこう反映してくださっていると思います。
ふみは私と同じ静岡出身で年齢も一緒。美術をやってきた経験もありますし、結婚している友達もいる。自分の環境とすごく近くて共感できる部分がたくさんありました」と振り返る。

 とはいえ、ふみの恋愛や結婚に対するこじらせっぷりは、自身の恋愛観とはやや異なる様子。「付き合う人だったら結婚したいし、結婚できない人とは逆に付き合えないと思っています。2年間とかお互いのことを知る期間を経てプロポーズされたら、自分だったら喜んで受ける気がします(笑)。
私の場合、結婚前よりも付き合う前の方が勇気がいる気がしますね」。 2016年6月に乃木坂46を卒業してからもファンの間で根強い、“どんなときにでも優しく穏やかな”聖母のイメージは今後どうしていきたいのだろうか。そう尋ねると「皆さんの中で想像が膨らみ過ぎている気もします」と恥ずかしそうに笑う。「イメージを打破していった方がいいのかなと考えた時期もありました。でもグループにいたときは、キャラとして無理してやっていたわけではありませんので、考え過ぎないようにしています。ただ、いつか、いい意味で覆したいです。
全然違う一面をお見せできたらいいなと思っています」。

 イメージを覆すべく、女優として今後チャレンジしたいことは「喜怒哀楽が分かりやすい役を演じてみたいですね。あとは時代劇をやりたいとずっと言っていて、今にはない世界観に入りたい気持ちが強いです。明治も江戸も好きで、昔の建物とか今にない洋服、所作に惹かれるんです。殺陣とかもぜひ挑戦してみたいです」と語り、柔和な笑顔を見せた。(取材・文・写真:桜井恒二)

 映画『パンとバスと2度目のハツコイ』は、2月17日より全国公開中。