俳優の遠藤憲一が、8月から放送される、オトナの土ドラ『それぞれの断崖』(東海テレビ・フジテレビ系/毎週土曜23時40分)で主演を務めることが決定した。遠藤は息子を殺害された父親を演じる。


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 原作は、社会派ミステリーの名手・小杉健治の『それぞれの断崖』。少年事件を発端に、犯罪被害者家族と加害者家族の崩壊と再生を描く、戦慄の人間ドラマだ。遠藤と小杉との組み合わせは、同枠で2018年2月に放送された『家族の旅路』以来となる。

 志方恭一郎(遠藤)は、14歳の息子、恭介が同級生に刺殺されるが、加害者は少年法で守られ、犯した罪に見合う刑罰が下されないことを知る。さらに恭一郎は、仕事人間だったことを非難され、息子殺しを疑われ、加害者の少年への怒りを爆発させたことで人でなし呼ばわりされてしまう。多くのものを失った彼の生きる支えは、息子の無念を晴らすこととなり、怒りの矛先は、少年法に守られている加害者の少年と、殺人者を育てた母親へ向けられる。


 だが、皮肉なことに、絶望の淵でもがく恭一郎は、加害者の母親もまた、孤独にもがき苦しんでいると気づき、気持ちは大きく揺らぐ。血を吐くような思いを抱えた者同士、共に背負っている重い十字架から、いっときの解放を求めてすがり、寄り添っていく。破滅へと突き進み、暗い断崖へと堕ちてゆく二人の許されぬ愛の行方はどうなるのか…。

 遠藤は、「主人公の感情の変化が複雑で、かなりハードルの高い役。心して演じなければと思いました。さらに、許しあえるはずの無い2人が心を重ねあうという展開に、フィクションとはいえ、感情面はリアルに丁寧に表現したいとも思いました」と、出演依頼を受けたときの感想を語る。


 さらに、「この枠って深夜ならではの今まで見たことが無い、思い切ったストーリーを楽しめる枠ですよね。今回の作品は、ヒューマン・サスペンスの側面があり、登場人物が思わぬ方向に舵を切ったりします。“そっちに行っちゃだめ!”と、毎回ハラハラしながら見てもらえたら嬉しいです」と同枠2度目の出演に意気込んだ。

 プロデューサーの西本淳一は、「“被害者の父と加害者の母が愛する”という、ありえない設定を、“あるかもしれない”と、観る人に納得させる演技ができるのは遠藤さんしかいない」と遠藤の起用についてコメント。

 オトナの土ドラ『それぞれの断崖』は、東海テレビ・フジテレビ系にて8月3日より毎週土曜23時40分放送。