【写真】“アンブレラ・ソード”場面写真
本作は、『三国志』の「荊州争奪戦」をダイナミックにアレンジしたアクションエンターテインメント作品。
主演は中国を代表する俳優ダン・チャオで、頭脳明敏で武芸の達人でもある沛(ペイ)国の重臣・都督とその影武者の一人二役を演じる。都督の妻は、ダン・チャオと私生活でも夫婦であるスン・リーが演じる。
時は戦国時代、沛国が領土を敵の炎国に奪われて20年。若くしてトップを継いだ王は、敵と休戦同盟を結び、平和だが屈辱的な日々に甘んじていた。
解禁された映像では、軒先の民家に身を潜めて迎え撃つ炎国軍に対し、兵士の数では圧倒的に劣る境州奪還軍が“アンブレラ・ソード”を駆使して縦横無尽に坂を下り、敵陣をくぐり抜ける圧巻のシーンが映し出される。
腕に弩級を着け、もう一方の手で傘を支え、滑りながら建物の一階から三階の敵軍兵士たちを弩弓で撃ち進む。境州奪還軍が炎国軍と正面対決するシーンでは、“アンブレラ・ソード”を形態変化させ、敵兵士に傘を勢いよく振りかざすと鋭い刃が放たれるという奇策で敵兵士をかく乱する。
本作でイーモウ監督は、視覚効果とCGをほとんど使わないことを決意。この傘での戦いのシーンは、俳優たちに柔をもって剛を制すような、ダンスのような動きや女性的な仕草が要求されたが、最初なかなか慣れることができず、ゾンビのような動きになってしまったそう。しかし、トレーニングを積み重ねていく中、だんだんコツをつかんでいき、2、3日後には全員が大きな進歩を遂げたと製作スタッフは語る。
また、監督が掲げた目標の一つ、“クラフトマンシップ”=“職人技への回帰”にのっとり、武器の制作では、中国の素材を選んで、中国の伝統を表現することに注力。傘の表面には何ヵ月もかけ中国の文化を思わせる飾りを付けを行い、本作の映像のトーンである中国の水墨画に合わせてモノクロを基調にするなど、“中国らしさ”を打ち出すことに強いこだわりを感じさせる仕上がりとなっている。
映画『SHADOW/影武者』は9月6日より全国公開。