【写真】長澤まさみ、華やかなドレス姿の数々
■ 志願のスキンヘッドで熱演 映画『世界の中心で、愛をさけぶ』
長澤を語る上で欠かせないのが、“セカチュー”の愛称で親しまれ、社会現象となった純愛映画『世界の中心で、愛をさけぶ』(2004)。本作で長澤が演じたのは、ヒロインの少女・亜紀。聡明でスポーツ万能、クラスの人気者だったが、17歳のときに白血病を発症し、その治療の副作用で髪の毛を失ってしまう。この展開に合わせ、長澤自身が申し出てスキンヘッドに。映画が大ヒットするとともに、長澤は数々の映画賞を受賞して大ブレイクに至った。
■ 初出演の“月9”で女子高生ヒロイン! ドラマ『プロポーズ大作戦』
長澤初の「月9」ドラマとなったのが、2007年のラブコメディー『プロポーズ大作戦』(フジテレビ系)だ。大好きな女性に思いを告げられぬまま、彼女の結婚式に出るハメになってしまった山下智久演じる健が、過去に戻ってやり直すチャンスをもらい、思春期から大人になるまでの7年間を描いていくストーリー。長澤は体育会気質で明るく、負けん気の強いヒロインの礼に扮し、健と小気味いい痴話ゲンカを繰り広げた。多くの人たちが憧れた、“ザ・青春”とでもいうような高校時代の健と礼の様子や、セーラー服姿の長澤のみずみずしさとかわいさが突出していた。
■ DVに虐待…女性が闇に落ちていく姿を体現 ドラマ『ラスト・フレンズ』
明るく、ハツラツとして誰からも愛されるキャラクターを数多く演じてきた長澤が、まさしく体当たりで挑んだのが、DVや性同一性障害、セックス依存症、性的虐待といった社会問題を真正面から捉えた2008年のドラマ『ラスト・フレンズ』。長澤が演じた美知留は、明るく一生懸命で優しい性格だが、優柔不断で流されやすく、他人に頼りすぎるところがある女性。
それまでの長澤の正統派、清純派というイメージをいい意味で壊し、女優として一皮向けたと認識されるようになったのは、同名ドラマの映画版『モテキ』(2011)の存在が大きい。森山未来演じる主人公の藤本を惑わすみゆきを演じ、セクシーさと小悪魔的な魅力がさく裂。森山との“セカチュー”コンビの再タッグで、長澤は見事な成長ぶりを印象づけた。本作をきっかけに、役柄の幅を大きく広げることとなる。
■ 168cmの長身が映える剣劇アクションが見どころ 『キングダム』
累計発行部数6400万部を突破した人気コミックを実写化した『キングダム』(2019)は、中国春秋戦国時代を舞台にしたアクション大作。長澤は“山界の死王”と呼ばれ、他民族から恐れられる山の民の王・楊端和(よう・たんわ)を演じた。168cmの長身を生かした本格アクションは、ダイナミックで堂々たるもの。男性キャストらを存在感で圧倒するほどの迫力だ。先月地上波で初放送された際にはネット上に「剣劇アクションがカッコいい」「長澤のハマり役」「かっこよくて美しい」など、長澤の剣劇に大反響が寄せられた。
■ どこか憎めない詐欺師・ダー子 新たな代表作『コンフィデンスマンJP』
一見、平凡で善良な姿をしたコンフィデンスマン(信用詐欺師)たちが、さまざまな業界を舞台に、壮大で奇想天外な計画で金をだまし取る『コンフィデンスマンJP』シリーズ。
この20年で、女優としてさまざまな顔を見せてきてくれた長澤まさみ。彼女の今後がますます楽しみだ。(文:安保有希子)