渋谷シネクイントのオープニング作品として1999年7月3日に公開され、34週間の大ロングラン、興行収入2億5000万円を記録するヒットを記録した『バッファロー’66』が、渋谷ホワイト シネクイントにて20年ぶりにロードショー公開されることが決定した。

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 本作は、それまでクレール・ドニ、マーティン・スコセッシ、エミール・クストリッツァ、アベル・フェラーラなどの個性派監督作品に出演していた俳優でありミュージシャン、画家、モデルでもあったアーティストのヴィンセント・ギャロが、初めて長編映画の監督に挑んだ作品。



 1991年に実際に行われた第25回スーパー・ボウルの勝敗をメイン・プロットに生かしながら、ギャロ自身の子供時代の経験と感情を脚本に盛り込み、意表を突く状況設定、意外性のあるドンデン返し、そして最高のハッピー・エンディングでトコトンダメな男の人生模様を最高にカッコ良く描く。

 また、ブチ切れやすいのになぜか憎めない男と、彼の全てを優しく受けとめるポッチャリ系美少女という、従来の恋愛映画では絶対主人公になりえない2人をスクリーンに登場させ、今だかつて誰も見たことのない恋物語となった。

 ヴィンセントが監督・脚本・音楽・主演の一人4役をこなし、そのほか、『アダムス・ファミリー』(1991)のクリスティーナ・リッチ、オスカー女優のアンジェリカ・ヒューストン、ジョン・カサヴェテス作品の常連ベン・ギャザラ、『グラン・ブルー』(1988)のロザンナ・アークエット、『イヤー・オブ・ザ・ドラゴン』(1985)のミッキー・ローク、『ビッグ・ウェンズデー』(1978年)のジャン=マイケル・ヴィンセントなど、脇を固める俳優陣も個性的で豪華な顔ぶれが勢ぞろい。

 さらに、ヴィンセント・ギャロの自作曲のほか、英国プログレッシブ・ロック界の二大巨頭、イエスとキング・クリムゾンらの楽曲も使用されたサントラ盤も当時大きな話題となり、渋谷のミニシアター文化を牽引した。

 本作は初公開以後、他の作品に関連したイベント上映などで数回上映が行われてきたが、ロードショー公開は約20年ぶりとなる。

 映画『バッファロー’66』は、渋谷ホワイト シネクイントにて2021年1月29日より公開。