映画『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』より、ジェームズ・ボンドを演じるのは最後となった主演のダニエル・クレイグと、最後の敵であり最凶の悪サフィンを演じたラミ・マレックの日本独占2ショットロングインタビューが解禁された。

【動画】『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』ダニエル・クレイグ&ラミ・マレック2ショットインタビュー

■ダニエル・クレイグ「これが本当に最後の出演」

 本作への出演について「ああ、本当に最後だ。

おそらくね。冗談だ。本作で最後だよ」と語るのは、2006年公開の『007/カジノ・ロワイヤル』 から本作まで5作にわたってジェームズ・ボンドを演じたダニエル。

 『007』出演で人生にどんな影響があったのだろう。「話すと長くなる。とてもじゃないが時間が足りないよ。
あまりにも(影響が)大きくて言葉にできない。人生そのものも、キャリアに関する何もかもが一変した作品だ」と語った。

■最後の敵であり最凶の悪となるサフィン(ラミ・マレック)

 ダニエル演じるボンドの前に立ちふさがるのは、シリーズ史上最も危険でミステリアスな男サフィン。完璧な頭脳と狂気を併せ持ち、人類の破滅を狙いながら己を絶対の正義と信じて疑わない、「悪」をも超越した存在だ。

 この難役を演じたラミ・マレックは、サフィンについて「底意地が悪く、悪意に満ちている。自分のしていることを極めてポジティブに捉えている。
だからこそ二人は激しく対立するんだと思う」と説明する。本作でボンドに真っ向から対決する敵を演じるラミ。そのプレッシャーを「アカデミー賞受賞(『ボヘミアン・ラプソディ』にて主演男優賞受賞)も尋常じゃなかったが、この役のオファーを受けた時も本当に特別な瞬間だった」と振り返る。「俳優にとって夢でしかないような機会だ。一瞬思ったよ。“まだ若いけどこのあと引退するかも”ってね」とプレッシャーをも上回る喜びがあったことを語った。


■ラミ「ダニエルの武器の持ち方にやられた」 ダニエル「ラミはプロに徹していた」

 お互いの印象を問われると、まずラミが「僕はダニエルを前にしても気後れしないように、十分準備したつもりだったけど、初めて現れた時の、ダニエルの武器の持ち方にやられた。そのパワーたるや、もう…」と、本当にMI6工作員が目の前を歩いていると思ったことをうれしそうに語る。

 「あまりのオーラに最初のセリフが出てこなかった」というラミ。気迫に押されたか問われ、「イエス! だって、ビビらない俳優はいない。ボンドを何年も演じたこの人物を前にしたら、俳優ではなくたって及び腰になるはずだよ」と前のめり気味で話すと、終始照れるようにほほ笑んでいたダニエルは「気づかなかった。すばらしかったよ。
(平静を装っていたというラミに)すっかり騙されたよ。ラミは真剣そのものでプロに徹していた。想像を超えたすばらしさだった。ラミが役になり切っているおかげで、その場にいるだけで自然にリアクションできる」と返し、「光栄だな。ありがとう」「とんでもない」とお互いを称える一幕も。

■ダニエルは1年間トレーニング

 本作でボンドは、陸・海・空で激しいアクションを繰り広げるが、ダニエルは撮影について「年をとって全てが昔より大変だよ。
だがアクションに関しては工夫をしている」と話す。「私の『007』は1作目から膨大なアクションが特徴だ。本作でもそれは同じ。幸運にも最高の人材が集まり、用心を重ねて計画している。彼らが驚くべきセットや装置を作ってくれているし、私を良く見せてくれるすばらしいスタントもいる」と製作スタッフに敬意を示した。トレーニングについては「1年ほどしたよ」と明かした。


 すると横からラミが「この話してもいいのかな?」と会話に入り、「1作目を始めた頃は数ヵ月で済んだそうだ」と明かすと、ダニエルは「3ヵ月だね」と応じ、「昔は6ヵ月もあればすごくいい体に仕上がった。歳をとって期間が長くなった。でもそれだけの価値はある」と話した。

■悪役を演じるということ

 前作から続投しているキャストが多くいる中で、本シリーズに初参加したラミは、悪役を演じることについて「自分では力不足だと思う時もあった」と明かす。そんなラミにダニエルは「サフィンは撮影しながらみんなで作っていった。ラミは驚くほどオープンで、こちらが打てば打つほど響く。徐々に固めていった感じだ」と助け舟を出す。

 ラミは「サフィンという役について僕なりに解釈していたけど、それでも完全ではなかった。毎晩撮影を振り返って、情報を整理して、サフィンの人物像に落とし込んだ。幸いだったのは独りではなかったことだ。ダニエル、監督のキャリー(・ジョージ・フクナガ)、製作のバーバラ(・ブロッコリ)とマイケル(・G・ウィルソン)、大先輩たちがついていた。絶対に大丈夫だと思えたし、実際にうまくいった」と、本作を支える最高のチームワークに支えられたことを語った。

■ダニエル「究極的には“愛”についての物語だ」

 最後に観客へメッセージを依頼されると、ダニエルは「究極的には“愛”についての物語だ。本作はそういう作品だ」と初めて本作の内容に触れ、言葉少なめに締めくくった。牢獄から不敵な笑みを浮かべるブロフェルド、最凶の敵サフィン、CIAの旧友フィリックス、MI6でかつて共に働いていた仲間たち、共に戦う“ボンド・ウーマン”、そしてマドレーヌ・スワン。ダニエルボンドの愛についての物語が、ついに壮大かつエモーショナルなフィナーレを迎える。

 映画『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』は10月1日より全国公開。