世界で“暗躍”するなぞのSWF 及び腰日本の未来は大丈夫!?

 「SWF」なる団体に、サブプライム問題で揺れるアメリカが、熱い視線を寄せている。このSWF、字面だけ見るとプロレス団体のようだが、「ソブリン・ウエルス・ファンド」の略で、いわゆる「政府系ファンド」のこと。つまり政府保有の資産を運用する国営ファンドを意味し、米国ではサブプライム問題で大損失を被ったシティグループなどの名だたる金融機関が、中東をはじめ各国SWFからの投資で資本増強し、経営危機を免れようとしているのだ。このため米国においてSWFは「サブプライム危機の救世主」とまで呼ばれ、一躍注目の的となっている。

 SWFは、中東諸国などで1950年代頃に誕生したが、00年代に入ってから動きが本格化。今では、世界で40程度のSWFが存在しているとされる。有名なのは、アラブ首長国連邦のアブダビ投資庁などをはじめとする中東諸国。これらの国では、国家経済を支える主要な輸出品、つまり原油の将来的な枯渇を見越し、ファンド事業に力を入れているのである。

「中東では、資源獲得競争が激しくなった00年以降、原油で稼いだ外貨の一部を積極的にSWFに回している。また、ノルウェーなど福祉制度が進んだ北欧諸国でも、SWFで稼いだ資金を社会保障費に充てようと、投資を活発化させています」(外資系ファンド関係者)

 翻って我が日本は、かなり遅れているのが現状だ。ようやく今年2月、自民党がプロジェクトチームを作ってSWF設立の検討を開始したが、財務省などから、「ファンドのような資産運用は、民間がやるもの」と猛反発を受けている。霞が関事情に詳しい政界関係者は、「財務省は、投資の失敗で責任を取らされるのを恐れているのでしょう。また、ヘッジファンドのような運用のプロに対抗できる人材も、実際いないわけですから」と指摘する。

 財政赤字も膨らみ、資源にも恵まれない日本。中東や北欧諸国のような将来戦略をきちんと打ち出さないと、明るい未来はないのでは?
(千代田文矢)

SWF
「Sovereign Wealth Fund」の略で、いわゆる「政府系ファンド」のこと。政府機関によって運営される投資ファンドであり、アラブ首長国連邦のアブダビ投資庁など、大規模な投資活動を行うことでも有名。

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