読売新聞がジャーナリストを“言いがかり”で言論封殺(後編)

■拡大解釈される著作権法の危うさ

 この件でまず珍妙なのは、削除の申し立てに当たって、江崎氏が「催告書」が「自らの著作物である」という理由を掲げたことである。 すなわち、著者である自分に無断で当の「催告書」をネット上で公表したことは、明らかな著作権侵害だという理屈なのだ。

 そして、東京地裁が催告書をなぜ著作物と認めたのかについては、何ひとつ具体的な理由が明らかにされていない。  だが、問題は「催告書が著作物か否か」という議論ではなく、すでに裁判所が催告書を著作物と認定し、事実として仮処分を認めてしまったことにある。

 つまり、もし自らに都合の悪い文書や資料が公開されてしまった際に、「著作物である」と主張することによって、それらを隠蔽できる可能性が発生してしまうことになる。

 だが、はたして催告書のようなたぐいの文書を、本当に著作物として認める根拠があるのだろうか? 著作権法によれば、権利が保護されるべき著作物とは「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう」(同第2条第1項第1号)と定義されている。一般的に考えれば、催告書といったたぐいのものは、著作物とはいえないはずだ。しかし、 この解釈について、さまざまな議論があり、その判断は決して容易ではない。著作権に関する調査研究を行っている社団法人著作権情報センターに問い合わせてみたところ、「事務的な文書だからといって、それを著作物として認められないと、ただちに判断できるものではないと思われます」(著作権相談室)との回答だった。一方、黒薮氏は、今回のケースは、著作権法で保護されるようなものではないという主張を展開している。


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